メアリー・カサット展へ行ってきました! [芸術]
久々に美術展へ行ってまいりました。
このメアリー・カサット展は京都近代美術館で開催されていたんですが、
反対側の京都市美術館にふと目をやると、
長蛇の列が!
むむむ?思ったら『伊藤若冲展』でした。
わたしねぇ、とにかく並ぶのがキライなんですよね。
伊東若冲そんなに魅力的かな~。ま、いいけど。
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裏のほうでサージェントのお話を掲載させてもらっていますが、
そのころ、ほとんどこういった類の画集は皆無でした。
だから資料は全部洋書で買って、読んでました。
本当は、同時期のホイッスラーとこのメアリー・カサットの三人をセットにして
『パリのアメリカ人画家』でお話を書いたら面白かろうに、とはひらめきはしたんですが、
もう英語を読むのがどうにも苦痛というか、また洋書だから高いんですよね~。
それにしても、あの頃、ホイッスラーもサージェントももちろんこのカサットにしろ、
画集もなにもなかったことを思えば、ああ、時代が変わったのかなぁとも思います。
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さて、ですね。
カサットって一見、子供とおかあさんを描いていて
そこに別に難しさがないので、とてもとっつきやすい画家さんなのかな、と思うんですが
今にしてみると、めちゃくちゃドライポイントがうまい。
つまり、描線がきれいなんですよね~。
女の人は、色には強いけれど、形には弱い、ってのは昔からの通説でございまして
それは確かにその通りなんだろうとおもうけど、
この方は、その昔のアルテミシア・ジェンテレスキなみに上手いです、デッサン。
そして、デッサンが上手いばかりでなく、色彩もメリハリがあって
非常絵自体に迫力がありますですね。
言われていることわからない、というムキもあるかとおもいますが、
例えば、同時代のフランスの女流画家のベルト・モリゾなんかと比べてみると (ベルト・モリゾの絵です)その卓越した力強さがわかってもらえるように思います。
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このくらい上手ければ、男の人にもひけはとらないと思いますが、
彼女はエコールデボザールの入学を断られるんですよね、女だからという理由だけで。
本当にしんどい時代だと思います。
それでも、めげずに素晴らしい絵を次々と描いた彼女は
やっぱり優れた先達と言えるでしょうね。
惣領冬実の「マリー・アントワネット」(裏ブログとは違うよ) [読書&映画]
9月23日に発売だった
惣領冬実の「マリー・アントワネット」
アマゾンで買おうとしたら、どういうわけか予約なのか送料の350円かかるっていうんで
ふつうのお店でダーリンに買ってもらいました(極端な出不精なんだな~)
やっぱり前々から、私が言っていたとおり、
王さまはすごいイケメンに描かれていた!
まるで「MARS」のレイちゃんのようでした…。
そこまでかっこよくせんでよいいのにというくらい、ハンサムでございました。
冒頭の大人になった王妃さまのお顔っていうのが
なんとなく、今フランス映画で引っ張りだこのカトリーヌ・フロに似ているような気がして~。
ヴェルサイユ宮殿監修っていうのがすごいです。
絵がやっぱり現地で取材してきたのは違う!って感じで
本当に詳細に描かれていた。
しかし、プチ・トリアノンの館の内部の詳細っていうのは、
いわゆるこのころのフランス貴族の一典型ではないかと思うのですね。
それは、「ベルサイユのばら」の外伝に載っていたジャルジェ家の構造とも
基本的には全く同じだし、
この間見た、ベルギーかオランダ貴族のお話の映画
「素敵なサプライズ」に出てきたお屋敷の内観ともそっくりでした。
白黒でできた格子柄の床。それも斜めに走らせるのがヨーロッパですね。
そして、瀟洒な透かし模様の入った片翼だけの階段。
う~ん、いいですね。
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マリー・アントワネットはなんていうのかな、
死んで名を挙げた人ですよね。
生きているうちは、罵詈雑言の嵐でしたが。
ルイ16世は、長らくツヴァイクの伝記が世の中に浸透していたせいで
デブでチビで愚鈍な王様と誤解されていましたが、
全くの逆で、ものすごく名君だったんですよ、
世の中を改革しなければならない、と思っていたから
結果的に革命が成功できたんであって、
暴君だったら、1789年の7月14日に
民衆を徹底的に痛めつけることもできたんですね~。
ナポレオンは案外非道でして、大砲に「ぶどう弾(散弾のこと)」を入れて
虐殺することもいといませんでしたが、
ルイ16世さまは、やはり最後まで使わなかったとか。
(知らないから使わなかったわけじゃないよ)
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マリー・アントワネットとフェルセンの恋ってものすごく有名ですが、
これも結局、学者たちの間では意見の分かれるところで
フェルセンは単なる王妃様の取り巻きのリーダーに過ぎないという意見や
王さまがあまりに頭が切れるので、息抜きにバカっぽいフェルセンとの会話を
楽しんだんじゃないかっていう説もあり、
中野京子さんなどは「ロココの時代というものを考えてみると、肉体関係がなかった、ってことが
不自然」ともおっしゃっていて、決定打には欠けるところです。
ただ、わたくしが思うに、
案外、この夫婦はあっさりしていて、ドロドロの不倫を楽しむタイプではなく、
ちいさな家庭の幸せを大事にしていた、とも思えたりするんですよね。
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しかし、本は「え? これで終わりなの?」って感じで
面白いのに、すぐおわちゃった、続きはないの?って感じ。
だけど、「チェーザレ」も11巻でずっと止まっているし、
早く先が読みたいんですよ~。
わたくしが死ぬまでには全部読みたいです。
惣領センセ、頑張って。
自分的激萌え映画 『デュエリスト 決闘者』 [読書&映画]
最近、ちょっと暑かったせいか、(京都の夏は半端なく暑い!)
精神的にも肉体的にも、しょぼ~~んとして辛くて、
大好きな映画も見られずじまいでしたが、
ここんとこ、少し回復して、フールーで楽しんでおります。
そして!!
なぁんとタイムリーなことに、
自分的激萌え映画を見てしまいました!
タイトルは『デュエリスト(決闘者)』
どこに萌えるかというと、それは、それは!!
時代がナポレオン時代の騎兵隊の話なのです!!
わ~い!
あの時代の軍服大好きな人間にしたら、よだれが垂れるほど
素敵な映画でした!
みんなユサール騎兵の恰好をして、肋骨飾りの服の上にプリスを着て、
サーブル・タッシュをつけていて、華やかです~。激萌えです~。
今まで、図でしか見たことなかった騎兵隊ですが、
動いているのをみて、なるほど、なるほどと感心してみていました。
それはともかく、
しかも!
監督がかの有名なリドリー・スコットというところが
ビックリです!
あの、「エイリアン」の監督ですよ。
このデュアリストっていいうのは、エイリアンをつくるひとつ前の
映画ということです。
う~ん、スコット監督になにがあったんだ?っていうくらい
作品の質が違う~~。
あ、でもこれがスコット監督のデビュー作らしいですね。
まぁ、監督って扱う素材が違えば、また逆に素材に見合うスタイリッシュな画像を
作りたくなるものだから、それはそれで納得です。
初めは1800年から始まるのですねぇ。
このころの軍隊はまだ、旧体制風ファッションが主流みたいで、
びっくりしたのですが、騎兵隊の将校のヘアスタイルです。
まぁ、なんとなく、ロン毛を後ろでおリボンで結んで、
サイドの髪はローリングして~、っていうのはなじみのあるヘアスタイルですが、
騎兵隊の人間は、サイドの髪を三つ編みしていた!っていうのが
なんか新鮮でした!
でも、ナポレオンが皇帝になるあたり、1810年ぐらいになると、
流行が変わったというか、世の中の意識も変わっていくらしく、
髪の毛はロングにしなくなるんですね~。
主人公のデュベールも途中で髪の毛を切っています。(でも、ローマ風に刈り込んでいなくてちょっと長い)
話は…。
1800年の第7騎兵隊の時代。
ストラスブールに駐屯していた第7騎兵隊に、
フェロー中尉という、きわめて決闘好きの男がいました。
本当は、軍人は決闘をしちゃだめっていう規則があったのに、
なんとフェローはそこの有力者の息子と決闘して重傷を負わせてしまう。
部下の不始末を聞きつけて激怒した将軍は
主人公のデュベール中尉にフェローを謹慎処分にするということを伝えて来い!と
命令します。
しかし、単なる伝令役のデュベールに対し、フェローは「謹慎処分」にされたのは
お前のせい、といって逆恨みします。
バカとは会話ができないという典型です。
すぐにまた、「お前と決闘する!」とフェローは激高します。
ここで、受けて立つと自分だって軍紀を犯したことになり、
自分の立場が危うくなることを知っているデュベールは
決闘することを固辞するのですが、アホなフェローはどうしても返してくれません。
諦めて決闘するのですが、
賢いデュベールにフェローはどうしたって負けちゃうんですよ。
初めは剣で、
次は馬上で、
最後は銃でって
何回やれば気が済むの?
それに、デュベールはフェローに対抗心ももってないしね。
しかし、いつまでたっても、フェローは和解することをかたくなに拒み、
なにかあるごとに決闘を再開させようとする。
さて、時代は過ぎ去り、キレモノのデュベールはそれなりに
ナポレオンのロシア遠征にも辛くも生き残り、あまつさえ王政復古の世の中になっても、
世の中をうまく泳ぎ渡り、めでたく旅団長(日本風に言えば、少将)にのぼりつめました。
長らく戦い一辺倒で生きていたデュベールですが、姉さんが持ってきた縁談を受け、
幸せな家庭生活を送ります。
さてもうすぐ妻が月満ちて初産をしようというまさにそのとき、
しつこいフェローはまた、挑戦してくるのです。
しかし、デュベールは今や父親になろうとしているのです。
それに妻もいる、そして一人娘の妻の舅もいます。
いまやデュベールには一家の長としての責任があります。
ここはどうでもフェローに勝たなければならない。
デュベールは誰にも告げず、フェローとの一騎打ちへと向かうのでした!
・・・・とまぁ、ありがちな話ですが、
それなりに面白かったです。
このデュベールをやった俳優さん、まったく知らない人で
キース・キャラディーンという人なのですが、
わたくしのストライクゾーンど真ん中という、すっごいハンサムな人です。
なんていうのかなぁ、いかにもイギリス男って感じ
(とかいいつつ実はアメリカ人 要するにアングロサクソン色の強い人)で、
レイフ・ファインズとかジェレミー・アイアンズみたいな
ものすごく手や脚が長くて、肩幅もあって、首なんかも長くて、
って感じのハンサムさんです。
どういうのかなぁ、前も『シェリ』のルパート・フレンド見て思ったけれど、
こういう人って絶対にイギリス人なんであって、フランス人には見えないんですよね。
イギリスとフランスって近い、と思うけど、
イギリス人って実は北欧に近くて、フランス人って南のローマ寄りの人種なんだなぁと
思ったりします…。
フランスを描いた、イギリス映画なのでありました。
三月読んだ本のマトメ [読書&映画]
最近、so-netの調子が悪いです!
というか、私のPC、ちょっと前に買い換えてwin10にしたのだけれど、
なんというかすごく使いづらい。
そして、初期設定の段階でものすごく排他性が強くしてあるのか、
ログインしても、すぐログアウトを勝手にされてしまうのですね。
まあ、そういうのもいろいろとネット検索して、
設定を変えれば、よくなるんだろうけど最近、
そういうチマチマしたことするの、嫌になってきたりしてるし。
おばさんはね、キカイに強くないのよ。
ああ、XP時代が懐かしい。あれでよかったのになぁ。
最近、ちょっと調子悪くて、本も読んでない、
というかアニメのベルばらにはまりすぎて、
アニメばっかり巻き返し繰り返し見てたから、あんまり突っ込んだ本が読めなかったなぁ~。
アニメって原作と全然違うね。
あれはトラウマの話だったんだなぁ。
つい自分の心象風景を重ねて登場人物を見てしまうからか、思い入れもひとしおよね。
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読むのが苦痛だったぁ。
筋というかトリックがレトロすぎて、全然ハラハラドキドキ感がない。
ただ、ホームズの冷静沈着さ、ルパンの大胆奇抜さ、
どちらも英仏にその名をとどろかせた傑物ゆえのプライドをかけた応酬は見事だったが。
私は、ルパンシリーズを全巻踏破するつもりでしたが、もうそれはやめにしたい、と思います。
これ以上読むと読書がキライになりそうなので。
読了日:3月27日 著者:モーリス・ルブラン
高野さんのソマリラヴな気持ちは一冊の本を書き終わるだけではすまなかった。
以前はソマリランド中心だったが今回はソマリアがメイン。
ソマリアを具象しているのは、ホーンケーブルテレビの豪腕姫・ハムディ。
この人は生粋のソマリ人なのだろうか?
西洋人のハーフのように色が白く、整った顔立ち。
さながらアラビアンナイトのお姫様のようで写真で見るだけでも絶世の美女。
しかし、彼女もソマリアも気難しく、なかなか高野さんに本心を見せない。
ここまで、ソマリアを好きになってどうする?とは思うけれど、理性でわりきれないのが恋だから。
読了日:3月19日 著者:高野秀行
よくできた女(ひと) (文学シリーズ lettres)の感想
excellent woman(よくできた女)とは、
昔のイギリスのハイミスに対する蔑称だったのだろう。
育ちもよく、教育があり、家事一般がキチンとこなせ、面倒見もよい。
しかも娘をかばううるさい親がいない。
だから使いやすい、都合のいい女という意味だ。
主人公は決してめげない。今ここにある幸せに感謝できる人間だ。
決して分にすぎた夢はみないと自戒もしている。
彼女のささやかなフラットに、なぜかド派手な夫婦が越している。
いつの間にか夫婦喧嘩の仲裁役を担わされてしまう。
オースティンの流れを汲んだほろ苦い傑作。
読了日:3月16日 著者:バーバラ・ピム
徒然草とそれに影響を及ぼした枕草子に思いをはせたエッセイ。
ふわっと優しい語り口ながらも、
人の底の底の探った本音を洞察しているところは実に鋭い。
「財産は残すものではない」
「べらべら思ったことを話す人間は見苦しい」と本気で考えているのなら、
なぜ兼好は自分の美意識を信奉して後世に残らぬように
徒然草を燃やし捨てなかったのか?
そこが最大の矛盾だなぁと読みながら思っていた。
が、酒井さんは徒然草自体が大いなる兼好の自慢オンパレードであって、
ナンダカンダいいながら認証欲求の激しい人だったのだろうと結論付けている。サスガ。
読了日:3月15日 著者:酒井順子
歴史的人物はどこに視点を定めるかで、悪者になったり、いい人になったりする。
ふつうは菅原道真がいい人で時平が悪者になるのだが、
この小説はその反対。
時平はあんまりお勉強はできなかったけど、政の本質を知っていた人。
して道真のほうはすんごく俊才だったけど、KYの困った人。
公卿のみなさん、困りに困って、道真が二度と帰って来られぬよう大宰府に送り込む。
本当は中国ぐらいまで行って欲しかったんだけどね。
ま、いいか。そこでなら、いくら威張っていてもいいからね。
読了日:3月9日 著者:奥山景布子
美しいだけに危うさも… 森麻季 アヴェ・マリア [芸術]
さて、久方ぶりにCDの感想でも書きましょう。
今回は森麻季、「AVE MARIA」です。
プロテスタントには、マリア崇拝っていうのがないからほとんどの人は知らないんだけど、
カトリックにはマリア崇拝っていうのがあるんです。
やっぱり、昔の人は直接神様や、イエス様に願い事をするのは、不謹慎で
畏れ多いことだと思っていたみたい。
今だって、直接オトーサンに「金くれよ!」なんて頼みにくいじゃない。
それより、オカーサンに「とーちゃんに金がいるって、かぁちゃんから頼んでみてくれよ!」
っていうじゃないですか。
ま~、それと似たような感じで、神様と人間の間に入るとりなしの存在として
大いに信仰を集めたのですよ。
で、「おとめマリアの頌(これはわが日本聖公会の名称。カトリックは「天使祝詞」というらしいよ)」
というのがあって、
これは、天使ガブリエルがマリアに
イエスをみごもるときに言った言葉なんだけどね、
今もカトリックの人はこれを唱えるワケなのだ。
「めでたし 聖寵(せいちょう)充ち満てる(みちみてる)マリア、
主(しゅ)御身(おんみ)とともにまします。
御身は女のうちにて祝せられ、
御胎内(ごたいない)の御子(おんこ)イエズスも祝せられたもう。
天主の御母(おんはは)聖マリア、
罪人(つみびと)なるわれらのために、
今も臨終のときも祈りたまえ。アーメン。」
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話はだいぶ横にそれた…
これを歌にしたのが、アヴェ・マリアなのね。
森麻季さん、いいですねぇ~。
才色兼備です。容貌も美しくて、声も美しい。
この方、思春期の頃、ニッカウィスキーのCMで
「オンブラマイフ」を歌うキャスリーン・バトルの歌声に感動して
ソプラノ歌手を目指されたそうです。
キャスリーン・バトルは毀誉褒貶が多い方らしく、
「キレイな声だけど、声量がない」と言われ続けていたそうですが。
わたくしも、ニッカウィスキーの声にやられたクチなので、
なんだかそういう森さんのデビューのきっかけをうかがうと嬉しくなります。
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たしかに、ソプラノというのは難しい声の領域なのだと思うのですね。
高い声は訓練次第で誰でもある程度は出るものかな?とは思うのですが、
ともすると、声を出すことに専念するあまり、「ヒステリック」に聞こえるもんなんですよ。
私も、ある程度の年齢を重ねるまで「オペラなんてヒステリックなものだ」と偏見を重ねていましたが、
それは、ただ単にヘタクソな歌手の歌声しか聴いていなかったからなのですね。
上手い方はどんな高音でもヒアノで歌えるし、声に幅は出てるし、やわらかく響くものなのです。
ま、こういうソプラノ歌手が越せない問題を全てクリアしているひとりに
やはり、森さんは入ると思いますね。
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このアルバムは、古今東西の「アヴェ・マリア」ばかりを取り上げたものなのです。
こういうのは、だいぶ前から一定の潮流みたいなものがあるらしく、
カウンターテナーのスラヴァが歌っている「アヴェ・マリア」もすでに購入済みなのですが、
そうですねぇ~、まぁ、好き好きの問題だとは思いますが、
スラヴァはさすがに外国人だけあって、声量もあるんですが、
ちょっとドスが効きすぎているっていうか、軽みがないかな~。
それでも「カッシーニのアヴェ・マリア」なんて珍しい曲を普及させた
功労なんか計り知れないものがあるんですよね。
(大河ドラマの「平清盛」で使われていた 笑)
まぁ、だいたいこのスラヴァのラインナップにほぼ同じですので、オリジナリティーはないですが、
聴き比べてみても面白いかなとは思うのね。
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まぁ、それでも日本の作曲家の服部隆之のアヴェ・マリアも入っているし、
アヴェマリアじゃないけど、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も入っているし。
結構、良心的かな~と。
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今回ですね、すご~~く感動したのが、
あの、秋山兄弟が非常に凛々しく美しかった司馬遼太郎の小説をドラマ化した
『坂の上の雲』のタイトルに使われていた『スタンド・アローン』です。
作曲はジブリでおなじみの久石譲。
自衛隊のアイドルの三宅ゆかりちゃんが歌っている分には
かわいいな~、上手ね~
で、ハイおわりなんですけどね。
マキさんが歌うと、非常に美しくて心に何かこう、凛としたものが
染み透って行くんですよ。
歌詞がまた、いいんです。
コレ、司馬さんの小説から採ったのかしらん?(作詞も久石さんだった…)
「凛として旅立つ、一朶(いちだ)の雲を目指し」
なんかね~、白い制服をピッと来た秋山好古が、
二百三高地に向かって馬上から最敬礼している図が脳裏によぎっちゃって。
なんかしらん、妙に感動しちゃうんだな~。
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でもね、一方でこういうのは非常~~~に危険。
昔、戦争中大本営が『海ゆかば』の曲をラジオで流ながら、
戦没者の名前を発表してたっていうじゃないですか。
上手いんですよ、軍部っでこういう演出が。
本当は、戦争は悲惨のひと言にしかすぎないというのにね。
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マキさんは別に戦争礼賛しているわけでもなんでもないだろうけど、
こういう類まれな才能が、悪用されるとコワイな~とちょっと思ったんでありました。
イギリス・ロンドン旅行 ④ミュージカルのこと [場所]
今回、旅行を計画するときに、絶対したかったのが、
舞台芸術を鑑賞することだったのね。
本当は、コヴェント・ガーデンでバレエを観たかったのだ。
ですがねぇ~、ネットでロイヤル・バレエの登録して、
いざ、席も指定して、決裁という段になるとそのまま、カードを提示してください、にはならず、
一度、ロイヤル・バレエからメールを送りますので、それから決裁してね、になるのね。
しかし!
待てど暮らせど、メールはこない!ということで、チッ、結果的にチケットは取れなかったのでした。
なんでだろうな~、ユーウツ。
演目も、日本では絶対にやらないであろう、「マイヤーリンク」であって、是非、本場で
みたかったのにな。
(ダーシー・バッセルが出ている、昔のLDなら持ってる)
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まぁ、いいや。
イギリスは演劇の本場なんだから、行けばたぶん、何かやっているだろう~とおもっていました。
やっぱり、あるわあるわ、あるわ、です。
毎日、何か公演してますね。
格調高い、シェイクスピアの劇もありましたが、当然それはパス。
本もまともに読んでないのに、英語で聴いてもわからんちゅうの。
で、あとは、そう、ミュージカル!ミュージカルのオンパレードです!!
「コーラス・ライン」に「ライオン・キング」「レ・ミゼラブル」に「オペラ座の怪人」
ちょっと、めずらしい所では、ロアルト・ダールの児童文学が原作の「マチルダ」ね~
で、わたくしは、当然、自分の一番趣味にあった「ファントム・オブ・ジ・オペラ」にしたんですねぇ~
昔、昔、その昔、一番最初に観たのは、日生劇場でファントムが市村正親でした。
根っからの田舎もんだったわたくしは、そのとき、ミュージカルも、バレエも
ほとんど見たことも聴いたこともなかったんです。
そのときの、驚き!こみ上げるような喜び!
それから今に至るまで舞台芸術の虜ですね。
というわけで、今回も自分の人生の中でエポックメーキングなこの作品を
ミュージカルの本場でみたいな、と思ったんです。
場所は、ピカデリー・サーカスにあるハー・マジェスティーズ・シアター。
とてもムードもある小屋なのですが、そんなに大きくないの。
だけど、わたくしたち、一階のど真ん中で見ることが出来ました。
しかも、こんなにいい席なのに、日本円で8000円ぐらいだったかなぁ。
今、円安だから高いけど、少し前だったら、もっと安かったはず。
映画のラウルはミュージカル俳優さんだったので、うまかった。
ですが、ファントムやっていた、ジェラルドバトラーは
めちゃくちゃビジュアル的には美しかったけど、歌はド下手。
(なんで吹き替えにしなかったんですかねぇ?)
今回、演じておられた方々は、どの方も、どの方もクソがつくほど、上手かったです。
カルロッタ役の人はコロラチューラ・ソプラノを駆使していたし、
ラウルは朗々と歌っておられたし。(この俳優さん、見た目もすっごくイケメンだった)
問題のファントムの方は、感情を豊かに表現するのが得意らしく、
ファントムのデモーニッシュなところも、また、天使のようにイノセントなところも見事に
演じ分けておられました。
わたくし、サラ・ブライトマンの「ファントム~」のCD持ってますけど、
このCDのファントムより、声質が、そうだな~、オペラっぽい感じで、声に厚みがあって
とても良かったです。
やっぱり、劇団四季も最近はとても上手いけど、
これほどに上手い人はやっぱりいないんじゃないかな~?
とにかく、これほどたくさんの種類のミュージカルをロングランでやっている
ロンドンという街が、この時ほど、うらやましかったことはなかったですね。
やっぱりシェイクスピア以来のお芝居を大事にしてきたお国柄なんでしょうかね。
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ナイト・ハイ・ライフ・イン・ロンドンを十分に堪能したのでした☆
イギリス・ロンドン旅行 ③紅茶のこと [場所]
う~~ん、前回ふたつは、どっちかというと「悪口(ゴメン)」に近いものだったので、
今回はそれを反省しつつ、書きたいかな?と思います。
(とか言って、辛口になるかも?)
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今更、わたくしがここでいう間でもなく、
イギリスといったら、紅茶ですのじゃ。
まぁ、今の日本人は昔のように
日東紅茶しか知らない人のほうが
よほど少ないでしょう?
昔、っていうか、わたくしが子供の頃っていうと
「トワイニング紅茶」ってめっさ、高級品でしたのよ。
それも、リーフティーじゃなくて。
御大層にティーバックを、五つぐらいずつ、入るように間仕切りした
箱の中に、「イングリッシュ・ブレックファースト」とか「クィーン・メリー」とか
「プリンス・オブ・ウェールズ」とか書いてあったのをみて、
子供心に「うへっぇ、すっげぇ」とか思いました。
こういうのは、お中元とかお歳暮に送られてきたかなぁ~。
かなり、高級品って感じでしたかね。
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全然、本題に入ってませんね。
はい、では。
今回、紅茶はおいしかった、と申し上げておきましょう。
どこのを飲んでもおいしかったです。
ホテルに備え付けのティー・バックを自分でお湯を沸かして飲んでもおいしかったです。
ま、水質の違いなのかなぁ?と思うんですよね。大きな原因としては。
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旅行中、数々の場所でお茶を飲みましたが、
なんかすんごくおいしかったのが、あんまり気どらない喫茶店かなぁ。
良かったのは、ウェストミンスター寺院を見学したあと、併設された
軽食&喫茶コーナーがあって、そこで飲んだ紅茶がおいしかった。
お店の前にわんさか~といろんなケーキがあるんだけど、
わたくしは、だいぶ考えてブラウニーにしました。
というのは、あっちのケーキは粉モンオンリーなのが多いし、
まず、量がすごい、めちゃくちゃ甘い、でたいてい、今までの外国旅行では
食事に失敗してお腹を壊すから、なんでも控えめにたのまなきゃ、と思っていたんです。
わたくし、太目なのに、実はあんまりたくさん食べられない人なんですねぇ。
というわけで、
たっぷりと、日本のものより3倍ほど巨大なティーバックがはいった ティーポットと
ブラウニーを食べました。
ミルクピッチャーにもたっぷりとミルクが入っていて、
おいしかった。
次に、V&A併設のウィリアムモリスが設計に携わったという、レストランに行きました。
ここは、公共施設らしく、全部セルフなんだけど、
結構、メニューが豊富で、しかもおいしかったです。
ここも、夫婦ふたりで一人前をふたりで食べるぐらいでちょうど。
こういうセルフサービスは、自分が自分の食べたいだけチョイスできる、というのが
とてもいいところ。
でも、装飾がすばらしすぎるよね。
でも、あんまり緊張しなくて済んだから、よけいなこと、おいしく感じられた。
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さて。最後に。
後学のために、そうそうイギリスへ行けるわけでもないので、
ロンドンでもオーソドックスで、超高級で格式高い、といわれているところへも
でかけました。
場所はブラウンズ。アガサ・クリスティーがお気に入りのホテルだそうです。
そこのティールームでお茶を飲むことに決めました。
ガイド本には、こういうところは予約が必要とかいてあったので、
しょうがない、前日に予約に行きました。
すると、も~まったくのアングロサクソンでしょ~?って感じの
スカした背の高いおにいさんが出てきて、
「アシタの6時か、6時半なら空いてます」とのこと。
う~~ん、それじゃ、いわゆるハィティの時間だから、多少の軽食もあるよね
ってことで、じゃ、これを晩御飯がわりにしよう、ということで話は決まりました。
いってみますと、よくわからないけど、要するに、あの「アフタヌーンティー」しかないわけですよ。
お皿がタワーのように3つかさねられてあるやつ。
あれね、昔は、ものすごく憧れたんだけど、優雅で。
今じゃ、キライなのね、
なんでって、たいしておいしくないもん。
サンドイッチなんて別に食べたくないし、スコーンなんて、これなんのためにあるんですか?
めっちゃお腹に入るよね。
クロテッド・クリームはともかく、頭がいたくなるほどアマいジャム。
で、まぁ、一番上のプチフールが美味しかったら、まぁまずまずですけど。
結果として、プチフールが、アタマが痛くなるほど、甘かったです!
加えてサンドイッチも、トマトとハムかなんかの間にジャムのような甘いやつが入ってました。
最初はものすごくお腹がすいていましたので、パクパク調子にのって食べてました。
すると、おにいさんがすかさず、御代わりをもってきてくれるの。
ま、こういうところはきめ細かいサービスなんだろうとは思うけどね。
だけど、もう甘すぎて、最悪だったのが、スコーンに塗るジャム。
一口食べたら、脳天突き抜けるほど甘くて、あ、これはダメだ、と思いました。
もう、勘弁してくれって感じで、帰ろうとしたら、
「これから、ステキなチョコレートケーキをお出ししますが、お召し上がりになりませんか?」
ちらと横をみると、なんだかすごい巨大なケーキが!
それをみただけでげんなりして
「いやいや、もう結構」
で帰ってきてしまいました。ホテルに帰ってすぐに整腸剤を飲んだのはいうまでもありません。
もんのすごく、サービスも丁寧で、インテリアも素敵でしたけどね、
なんかお味がものすごく残念です。
イギリスって未だに質より量なんだろうな。
そして、紅茶は心なしか、薄い。
ま、薄いお茶は上品とされていて、上流の方のお好みなんだそうですけど。
う~~ん、
まぁ、ブラウンズは素敵でしたけど、コージーじゃなかった。
値段もすごかったしね。
ま、何事も経験ということで。
つくづくわたくしはキモチは上流に憧れるものの、
本質的には感覚は庶民そのものなんだな、と実感したんです。
ま、それでもいいじゃないか。
イギリス・ロンドン旅行 ②地下鉄 [場所]
さて、昨日のつづき。
たくさんの方々がステキなブログ記事をお書きになっていらっしゃると思うので、
ここはちょっとわたくし流に、天邪鬼的なことをネタにしようとおもいます。
ということで、今日は地下鉄。
日本語では地下鉄だけど、ロンドンはアンダーグラウンドっていうんですね、
って改めて認識しました。
サブウェイとか、チューブとか、メトロとかいろいろ言い方ありますよね。
ま、とにかくロンドンの街中の表記はアンダーグラウンドでした。
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ちょっと前に、007シリーズの『スカイフォール』を見ていたら、
ロンドンの地下鉄が映っていて、
ハビエル・バルデム扮するワルモノが、脱線事故を起こし、あわやボンド死亡みたいな
場面がありました。
見ていながら、「アレってどうなってんの?」とか思っていたんですが、
行ってみたら、ロンドンの地下鉄の構造が分かったような気がします。(ほんの気持ち程度ですけど…)
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私たちが主に使った地下鉄は「ピカデリー・ライン」。
ヒースロー空港からホテルまでピカデリー・ライン一本で行けたのは、楽でした。
ピカデリーラインは、なんというのか日本でいうところの、日比谷線とか丸の内線そっくりで、
他の地下鉄の連結の仕方とか、機内放送の間合いとか、まったく日本の、というか東京のと
変わらないので、もっとカルチャーショック覚えるかなと思ったけど、そうでもなかった。
坐っている人たちは、たいていスマホでゲームしてたり、音楽聴いてたり。
なんかこういうの、世界的にどこでもいっしょの現象なんだなぁ、と嬉しいような、ちょっと残念なような?
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で、意外とロンドンの地下鉄って深いんですよね。
なんか半蔵門線の永田町駅って感じ。どこの駅でも。
で、階段は非常用でたいていエレベーターを使うんだよね。50人のりみたいな。
で、入り口と出口が違うので、混雑しない。一方通行なのです、常に。
なんか、ここらへんがアングロ・サクソン民族の合理的精神が現れているのか、と思ったり、
いや、日本人みたいに器用に入れ替わったりできないだけなのか?とか
ま、それなりに感慨深いものもありましたけど。
それでね、ちょっと写真にも撮ったから、雰囲気を感じてほしいんだけど、
やっぱりティストがどことな~~く、パンクっぽいんですよね。
イギリスって伝統、伝統ってそういう部分に固執するところもあるけど、
その反動なのか、こういうパンク・ファッションになる下地みたいなもの、
結構あちこちに感じられてそれはそれで面白かった。
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なんか取り留めもないことばっかり書いていて、実は何がいいたいのか、というと
わたくし、怒っていることがあったんです。
それは、「オイスターカード」ですね!
まあ、さ、日本にだって、「スイカ」とか「するっと関西」とかいろいろ、そういう類のカードが
あるから、それはいいんだけど。
このオイスターカードのシステムって最後までよく分からなかった。
まずさ、カードにオカネを補てんするとき、現金で払えないんだよね。
いや、払えるのかもしれないけど、私達にはその方法がわからなかった。
現金をほとんど使わないっていうのは、日本よりもよほどロンドンのほうが浸透していて
それがちょっとびっくりしたかなぁ。
500円、1000円ぐらいでイチイチ、クレジットカード使わないでしょ、日本人は。
たいていカード決裁なんですよ。
ま、それはともかくとして
わたくしと夫は終始一緒にいたので、オイスターカードのお金のへり方も同じはずなのに、
わたくしだけ、残金不足でゲートを通れなかったりして。
あっちの交通局の人も忙しいのはわかるけどさ、
なんかものすごく早口のコックニーなまりでぎゃんぎゃん言われたって
こっちは困るっていうの!
最後は開き直って、
「わかりません」
「あんたのいっていることはわかりません」
「このシステム自体理解できません」
「外国人にもわかるようにしてください」
っていったら、しぶしぶ、自販のところまでついてきてくれて
指導してくれたけど。
それでもさ、こんなに短い滞在なのに、一日のうちの何回かは、ゲート通れなくて、
2メートルありそうな、鼻ピー、口ピーでスキンヘッドの黒人のおにいさんに
怖い顔で睨まれて「あ~だ、こ~だ」ってくどくど言われる。
どれだけギャンギャン言われても、わからないもんはわからないの。
ネイティブでもないんだから、カンベンしてよ!
全くイングリッシュスピーカーは、英語が世界標準だと思ってうぬぼれすぎ~
もう、本当にトラウマになりそうだったよ。
でもね、なかなかタクシーって捕まらないし、タクシーをイチイチ利用していたら、高いし、
毎日、毎日、ピカデリーラインを利用していましたよ。
やっぱり、何でも慣れる、っていうまでには多大なエネルギーを使わなきゃならないモンなんですね☆
イギリス・ロンドン旅行 ①気候のこと [場所]
みなさん、だいぶご無沙汰です。
実はロンドンに一週間弱ほどいっておりました。
わたくし、若い頃はとにかく、外国、外国、ソトへ行ってみたくて仕方がなかったんですが、
どうも、そういう運命には生まれついていなかったらしくて、
結婚して25年程してやっと夢が実現したというわけです…。
でも、思うに、もっと感受性が鋭いときにいけたらなぁ、というのが
偽らざる実感かなぁ。
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それはともかく、考えたわけです。
どうせいくなら、1年の中で一番美しい、バラの咲く季節に行ってみようと。
多分、6月だったら暑くもなく、寒くもなくちょうどいいだろうと。
ですがね、これはおおいなる誤算でしたね。
ロンドンについてみれば、風は身を切るように寒かった。
そして、道行く人は、コートを着てたし、
甚だしい人になるとダウンを着こんでいるんですよぉ~。
もう、日本で着てる夏物なんて寒すぎて。
念のためと思って、持って行った、ユニクロのヒートテックと薄いけれどニットのカーディガンが
どれだけありがたく思ったことか。
いつも、日本の湿っぽい気候がうっとおしいと思っていたのですが、
実際、ロンドンにいってみると、乾燥しているんで、
なんだか肌がカサカサになってきて、終いには、シワになってきているような気がしたの。
ウワ、こわっ!
もう、どんだけクリームばっかり塗りたくっていたことか。
でもね、クリームじゃなくて、結局は水分が大事なのね。
日本のジメジメは天然のスチームの役目をしているんだな、ってことに
思い当たりました。
こうやって日本の外に出ると、日本のいいところも悪いところもはっきりわかるし、
そして、意外と日本の欠点だとおもっていたところだって、実はいいところかもしれない、
と思えるというのは大事なことね。
草深い山奥になぜか突然、超モダンな美術館! ~Miho Museum~ [場所]
もう、梅雨に入ったんですってねぇ~
いやですねぇ~、
ジメジメと雨が降る季節は。うっとおしいです。
それが過ぎると、今度は暑い暑い夏の到来ですよ!
もう、最近の夏は、酷暑ですからねぇ。
照りつける太陽があまりにじりじりと焦がすので、
アスファルトからはゆらゆらと陽炎が立つくらいです。
あ~、もう、すでにわたくしの中の一番いい季節は過ぎました。
気持ち的には、あ~、一年は終わった!ですよ、ふぅ。
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さて、そういうウツウツしておられる日本の皆様に、
わたくしたち夫婦が、風薫る美しい五月の日に訪ねた美術館をご紹介しましょう~。
それは、Miho Museum!
なぜ、行く気になったかというと、ある日、いつものように自転車に乗って、
買物に出かけますと、途中で非常に美しいガラスの器のポスターが!
こう見えても、わたくし、無類のガラス好きなんです。
それもね、正倉院にあるような、瑠璃椀じゃなくて、
ベネツィアン・ガラスのような繊細なスカシ模様が入っている椀なんです。
わたくしのお気に入りのベネチアはバラリン工房のボウル。
欲しいなぁ~。こういう繊細なガラスの器。
ああ、なんて美しい!
いつもなら、ちょっとぐらいキレイなポスターが貼ってあっても、見向きもしないわたくしですが、
この日は違った!
一端通り過ぎた場所を再びバックして、件のポスターを見ますと、
場所はミホ・ミュージアムと書いてある。・・・ううむ、聞いたことのない美術館だなぁ~
どっかすごく遠いのかなぁと思いきや、隣の滋賀県、信楽のほうなのです。
夫サマがお仕事から帰っていらっしゃると、
「ねぇ~、ミホ・ミュージアムにいきた~~い!」
夫サマが地図で調べてみますと、JRの東海道線、石山駅で下車、
それから、バスで約1時間の道のりです。
渋る夫サマに
「どうせ、一日ヒマじゃん!いいじゃない、遠足のつもりで!ね?」
と説き伏せて行ったのでした。
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石山駅から、一時間に一本、美術館行きのバスが通っています。
ですが、この一時間のバス旅行が異様に楽しかった!
バスは奥深い山へ入って行くんですが、脇に川が流れているんですね。
その流れに逆流していくように、バスは進んでいくんですよ。
川の流れは、だんだんと清冽な水の色に変わって行き、見てるだけでも涼しげ。
ときは麦秋のころでもあり、田植えの頃でもあって、実った麦の柔らかな緑、
水を張った田んぼの、水の煌めきが心を浮き立たせるのです。
また、山は新緑の頃でもありまして、むせ返るような若葉が萌え出でています。
その細かい新緑を通してできる、木漏れ日の繊細な影!
そして、その木々に山藤が、濃淡さまざまな紫の花を今はさかりと咲き誇っていました。
ああ、なんて輝かしい、美しい五月!
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とまぁ、心は一気に詩人になり切りながら、バスは進むのです。
実はね、こんなところにあるんだから、どんなショボい美術館で、
どんなショボい展覧会でも、それはいわゆる遠出の口実であって、それはそれで構わない、と思っていたんです。
しかし、しかし、
突然出現した、超リッチでゴージャスでモダンなこの美術館はなんなの?
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京都駅のような、超モダンな空間でありながら、しかし、全体的なモチーフは
どこか、四阿(あずまや)を思わせるものがある。
しかも、入り口である、サテライトの部分から、一つ山を越して、
本館である美術館へ行くわけですが、その途中のトンネルが
また、とんでもなく、造形的に美しいわけ。
真珠色に光るトンネル。
微妙に曲がっているのが、これから行く先を期待させる、しゃれた作り。
本館からトンネルを臨むとこんな風。
「お金かかっている美術館だねぇ~。リッチだね~」
とふたりで言い合いながら、本館のほうへ向かいました。
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そして!問題の特別展なんですが、
展示物の豊富なこと!
結構、多くのものが大英博物館から、お借りしてきたものらしい。
うわ~、本当にすごくお金がかかっています。
お金がかかっているのは、もちろんですが、本当にため息がでるほど、
美しいガラスの椀、杯、装飾品の数々。
そして、一種の劣化とはいえ、長いときをかけて銀化してオパール色に変化した
古代ガラスの美しさといったら!!!
そして、途中、どのようにして、これらの細工をしたのか?という
考証をしながら、今の技術で再現したフィルムもすごく面白かった。
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で、全然常設展なんかも見る気もなかったのですが、
また、ですね。
この美術館、尋常じゃないくらい高価なお宝をもっておられまして、
広い廊下の途中にこんなローマ風のモザイクが…。
また、なんとも凝った演出だなぁ、と思ってみていたら、
なんとホンモノでした!
なんか美術館というより、リッチなリゾートホテルのよう…。
前日の京都市美術館のリヒテンシュタイン展なんて45分ぐらいで
「なんだ、こんなもんか」ぐらいで観終わって帰ってきたというのに、
な~んとなんと、3時間ぐらいいました。
バスの時間を気にしなかったら、もっといたかもしれません。
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と言うわけで、どこの財団なんだろうね、こんなリッチな美術館が創れるのは?
と夫サマと話し合っていたのですが、
どうも、「神慈秀明会」という宗教団体が母体となっているようです。
センスがいい、センスがよすぎる、と思っていた建物も、
実はルーブルのピラミッドを作った建築家であるI.M.ペイ氏の作だと知り、納得。
とにかく、外観も素敵ですけど、中に入ると、やさしいベージュの大理石が敷き詰めてあって
やはり、こういう高価な素材の空間にいると心が癒されるんですねぇ。
併設された、カフェとレストランも、オーガニック栽培された小麦を使ったパンが
でてくるらしい、です。わたくしは、ローカーボ実践しているから
食べられないけど、実においしそうだったです。
(実は、ロクなレストランなんかないと見くびって、石山駅のコンビニでお弁当を買っておいたのでした☆)
今度はトライしてみたいです。
また、ときどきは音楽家を招いてコンサートなども催しているようです。
とにかく、「すばらしい!」のひと言に尽きてしまう美術館でした。