戦国の美しい貴婦人    ~細川ガラシャ~ [ちょっとした考察]

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堂本印象の「ガラシャ夫人」美しい絵だと思います。 

散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花は花なれ 人は人なれ

これはガラシャ夫人の辞世の句です。

これは細川忠興夫人であったガラシャが

敵であった石田三成に攻め入れらたとき、

この句を詠んだといわれています。

人も花(さくら)も、その散り際を知って

いさぎよく散ってこそ、

花は花たりえるであろう、

人も人たる甲斐があったというものであろう。

逆説めいていますが、

人は死んでしまったその時に

人生を完結したといえる、と思います。

自分がこの世から離れ、もうどうにもできないところで

他人サマの評価というものが下される。

あんなにも美しく咲き誇っていたさくらも

潔く吹雪のように散るからこそ、

その短い花の盛りをこそ

めでたいもの、あっぱれなものと

賞賛される。

花でさえ、さあらば、人なればこそ。

その潔さは人の生にも当てはまる。

ガラシャは、見苦しく生に執着しなかった。

彼女は死んで名を遺した人のお手本です。

誰でもできるようでできない、

父親が逆臣、明智光秀であり、

戦国の世に生まれた武家の娘は

いつもそんな覚悟があったのかな、と思います。

彼女の生き方は、クリスチャンの生き方というよりは、

やはり、当時流行っていた一瞬一瞬を生き切るという

禅宗の教えに近いような気がします。

ガラシャ夫人は絶世の美人だったということです。

たしかに父である明智光秀はそうとうにハンサムな人だったそうですから

その娘のガラシャも美しかったに違いないだろうと推察されますが、

この詩の心映えの美しさが

のちの世にも彼女の名を高めているのだと

いえるでしょうね。

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