草深い山奥になぜか突然、超モダンな美術館! ~Miho Museum~ [場所]

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もう、梅雨に入ったんですってねぇ~

いやですねぇ~、

ジメジメと雨が降る季節は。うっとおしいです。

それが過ぎると、今度は暑い暑い夏の到来ですよ!

もう、最近の夏は、酷暑ですからねぇ。

照りつける太陽があまりにじりじりと焦がすので、

アスファルトからはゆらゆらと陽炎が立つくらいです。

あ~、もう、すでにわたくしの中の一番いい季節は過ぎました。

気持ち的には、あ~、一年は終わった!ですよ、ふぅ。

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さて、そういうウツウツしておられる日本の皆様に、

わたくしたち夫婦が、風薫る美しい五月の日に訪ねた美術館をご紹介しましょう~。

それは、Miho Museum!

なぜ、行く気になったかというと、ある日、いつものように自転車に乗って、

買物に出かけますと、途中で非常に美しいガラスの器のポスターが!

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こう見えても、わたくし、無類のガラス好きなんです。

それもね、正倉院にあるような、瑠璃椀じゃなくて、

ベネツィアン・ガラスのような繊細なスカシ模様が入っている椀なんです。

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わたくしのお気に入りのベネチアはバラリン工房のボウル。

欲しいなぁ~。こういう繊細なガラスの器。

ああ、なんて美しい!

いつもなら、ちょっとぐらいキレイなポスターが貼ってあっても、見向きもしないわたくしですが、

この日は違った!

一端通り過ぎた場所を再びバックして、件のポスターを見ますと、

場所はミホ・ミュージアムと書いてある。・・・ううむ、聞いたことのない美術館だなぁ~

どっかすごく遠いのかなぁと思いきや、隣の滋賀県、信楽のほうなのです。

夫サマがお仕事から帰っていらっしゃると、

「ねぇ~、ミホ・ミュージアムにいきた~~い!」

夫サマが地図で調べてみますと、JRの東海道線、石山駅で下車、

それから、バスで約1時間の道のりです。

渋る夫サマに

「どうせ、一日ヒマじゃん!いいじゃない、遠足のつもりで!ね?」

と説き伏せて行ったのでした。

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石山駅から、一時間に一本、美術館行きのバスが通っています。

ですが、この一時間のバス旅行が異様に楽しかった!

バスは奥深い山へ入って行くんですが、脇に川が流れているんですね。

その流れに逆流していくように、バスは進んでいくんですよ。

川の流れは、だんだんと清冽な水の色に変わって行き、見てるだけでも涼しげ。

ときは麦秋のころでもあり、田植えの頃でもあって、実った麦の柔らかな緑、

水を張った田んぼの、水の煌めきが心を浮き立たせるのです。

また、山は新緑の頃でもありまして、むせ返るような若葉が萌え出でています。

その細かい新緑を通してできる、木漏れ日の繊細な影!

そして、その木々に山藤が、濃淡さまざまな紫の花を今はさかりと咲き誇っていました。

ああ、なんて輝かしい、美しい五月!

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とまぁ、心は一気に詩人になり切りながら、バスは進むのです。

実はね、こんなところにあるんだから、どんなショボい美術館で、

どんなショボい展覧会でも、それはいわゆる遠出の口実であって、それはそれで構わない、と思っていたんです。

しかし、しかし、

突然出現した、超リッチでゴージャスでモダンなこの美術館はなんなの?

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京都駅のような、超モダンな空間でありながら、しかし、全体的なモチーフは

どこか、四阿(あずまや)を思わせるものがある。

しかも、入り口である、サテライトの部分から、一つ山を越して、

本館である美術館へ行くわけですが、その途中のトンネルが

また、とんでもなく、造形的に美しいわけ。

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真珠色に光るトンネル。

微妙に曲がっているのが、これから行く先を期待させる、しゃれた作り。

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本館からトンネルを臨むとこんな風。

「お金かかっている美術館だねぇ~。リッチだね~」

とふたりで言い合いながら、本館のほうへ向かいました。

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そして!問題の特別展なんですが、

展示物の豊富なこと!

結構、多くのものが大英博物館から、お借りしてきたものらしい。

うわ~、本当にすごくお金がかかっています。

お金がかかっているのは、もちろんですが、本当にため息がでるほど、

美しいガラスの椀、杯、装飾品の数々。

そして、一種の劣化とはいえ、長いときをかけて銀化してオパール色に変化した

古代ガラスの美しさといったら!!!

そして、途中、どのようにして、これらの細工をしたのか?という

考証をしながら、今の技術で再現したフィルムもすごく面白かった。

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で、全然常設展なんかも見る気もなかったのですが、

また、ですね。

この美術館、尋常じゃないくらい高価なお宝をもっておられまして、

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広い廊下の途中にこんなローマ風のモザイクが…。

また、なんとも凝った演出だなぁ、と思ってみていたら、

なんとホンモノでした!

なんか美術館というより、リッチなリゾートホテルのよう…。

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前日の京都市美術館のリヒテンシュタイン展なんて45分ぐらいで

「なんだ、こんなもんか」ぐらいで観終わって帰ってきたというのに、

な~んとなんと、3時間ぐらいいました。

バスの時間を気にしなかったら、もっといたかもしれません。

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と言うわけで、どこの財団なんだろうね、こんなリッチな美術館が創れるのは?

と夫サマと話し合っていたのですが、

どうも、「神慈秀明会」という宗教団体が母体となっているようです。

センスがいい、センスがよすぎる、と思っていた建物も、

実はルーブルのピラミッドを作った建築家であるI.M.ペイ氏の作だと知り、納得。

とにかく、外観も素敵ですけど、中に入ると、やさしいベージュの大理石が敷き詰めてあって

やはり、こういう高価な素材の空間にいると心が癒されるんですねぇ。

併設された、カフェとレストランも、オーガニック栽培された小麦を使ったパンが

でてくるらしい、です。わたくしは、ローカーボ実践しているから

食べられないけど、実においしそうだったです。

(実は、ロクなレストランなんかないと見くびって、石山駅のコンビニでお弁当を買っておいたのでした☆)

今度はトライしてみたいです。

また、ときどきは音楽家を招いてコンサートなども催しているようです。

とにかく、「すばらしい!」のひと言に尽きてしまう美術館でした。


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~法治国家『日本』の威信に賭けて~  『藁の楯』 [読書&映画]

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今日は、夫サマとおデートで映画を観てまいりました。

観てきたのは、『藁の楯』サブタイトルが「わらのたて」と書いてあるのは笑えました。

『藁の楯』じゃ、読めないよ~☆

この間見た、妻夫木聡が主演した『黄金を抱いて翔べ』もそうだけど、

最近の日本も、この手の映画は面白い。

アメリカのクリストファー・ノーラン監督の映画も映像がスタイリッシュで、好きなんだけど

やっぱり、あまりにスタイリッシュであるがゆえに、

やはり絵空事にしか、思えない弱みがあるのね。

これだって、やはり絵空事にはちがいないんだけど、

「ひょっとして…?」みたいな、恐ろしさがありますね。

そういう意味で、大変秀逸な映画であります☆

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さて、あらすじを、かいつまんで言いますと

殺人事件が起こるんです。

そして、これはいわゆるひとつの「快楽殺人」でございまして、

七歳の幼気な少女が、一人の変態になぶり殺しにされてしまうのです。

悲しいけれど、イマドキはそういう殺人はめずらしくなくなりましたね。

で、問題なのがここから。

この殺された少女の祖父はかつて日経連の会長もしていた

財界のトップ(山崎努)で、目の中に入れても痛くはないほど溺愛していた孫娘を殺された

私怨を晴らすため、どういった法の目をすり抜けたのかはわからないけれど、

ともかく、新聞に一面広告をだすのです。

孫娘を殺した犯人を殺した人に10億円差し上げる、と。

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犯人・清丸(藤原竜也)は、それまで某所で見つからないように潜伏していたのですが、

10億に目がくらんだ有象無象の輩から半殺しの目にあい、

あまりの恐ろしさに、自ら最寄の福岡県警に出頭するのです。

そして、東京の本庁へ護送しようとするのですが、

なにしろ、殺した人間には10億円を差し上げるというのだから、

護送中であろうが、皆、鵜の目鷹の目で犯人を殺そうと狙ってくるのです。

ならずものだけでなく、民間人だけでなく、警察内部の人間までも!

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そこで、こんな人間のクズのような男にもSP(大沢たかお・松島奈々子)が付けられるのです。

それもこんなクズにはもったいないほど非常に優秀な人材なのですね。

これを観ながら、わたくし先日読んだこの本を思い出しました。

それは黄文雄さんの、この本ですね。

日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

  • 作者: 黄文雄
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この本によると、日本は江戸の昔から、いえ、聖徳太子の昔から「遵法主義」の

法治国家だというわけなんです。

日本の三権分立は欧米以上に徹底していると欧米から賞賛されているほどだそうです。

(黄文雄さんによりますと 笑)

じゃ、反対に法治国家じゃない国家はどうなのか、というと

それは「人治主義」で、法律はあるものの、それは為政者の考えひとつでどうにでも運用される。

突然の法律変更、改正などをする国家のことです。

北朝鮮などは、いうまでもなく人治国家ですわね。

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それはともかく、人が罪を犯した、という事実があって、

とたえその人間がどう見ても、一片の同情の余地もないほどの極悪非道の人非人であったとしても、

法治国家の中で罪を犯したのであったなら、

法によって裁かれて、罪を贖わなければならない、ということです。

同じ殺すのだったらば、正式に死刑の判決を待つまでもなく、

私刑で殺してやったらいいじゃないか、

どっちもおんなじことだろうと考えるのは間違いなのです。

法によらず、清丸を殺した人は、自分も「殺人」という罪を背負うことになります。

たとえ、被害者の家族であろうとも、それは赦されないことなのですね。

映画を観ていて思いましたが、いくら元日経連の会長から10億の報酬をもらったとしても、

もちろん、国外に退去ということもできないし、

やはり、前科者として、世間の制裁を浴びるでしょう。

日本は決して、ひとり勝ちを許さない国でも、あると思うのです。

そして、日本は永らく法が人を治めてきた、たとえそれが身分の高い藩主であったとしても、

過ちを犯せば、「腹を召す」ということも辞さない。

まさに、会津藩じゃございませんが、「ならぬことは、ならぬ」で

やってきた国なのです。

ですから、日本という歴とした法治国家である国の威信に賭けて、

私怨のために、護送中の犯人を殺されてはならないのですね。

どんなに、国民の税金の無駄使いといわれようが、人間のクズをそんなにしてまで

大切に扱わなければならないのかと罵倒されようが、

生きて東京まで護送されなければならない。

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現在の日本は下流社会ができた、貧困層と富裕層との二極化社会だ、といわれて

久しいですが、

まだ、自分だけのために、プライドも何もかも捨てて、

この映画のように殺人に走る人間が生まれる社会ではない、という希望は持っています。

いや、まだまだ日本の民度の高さというのは、そんなに簡単に壊れるもんじゃない、とも。

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とはいえ、もうぎりぎりの喫水線まで来ているかもしれません。

モラルの低下は。

やはり、ひとりひとりが心して自分の国を、世の中をよくしていこう、という

使命感が必要なのかな、と思いました。


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