La vie aventureuse de D'artagnan ~ダルタニャン物語 ① イントロダクション~ [シリーズで考える深い考察]
去年の末頃から読み始めた「ダルタニャン物語」、やっと先日読み終わりましてよ。
ここで「ええ、なんでダルタニャン物語なの? 三銃士でしょ?」と突っ込みを入れたアナタ、
アナタのその感覚は正しい!
そうなんです。実は「三銃士」というのは「ダルタニャン物語」のごく最初の一部分にすぎないのです。
ダルタニャン物語は実は全部で11冊ありまして。
三部構成になっております。
①三銃士
ダルタニャンが故郷のガスコンを出て、パリに赴き、王の直属の軍隊である
銃士隊に入るまでが描かれております。
ダルタニャン物語〈第1巻〉友を選ばば三銃士 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第2巻〉妖婦ミレディーの秘密 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本
②二十年後
ダルタニャンと彼の仲間の20年後の話です。
ルイ13世も宰相であるリシュリューもこの世を去り、
王ではあるけれど、統治権をもたないルイ14世。王太后アンヌ・ドートリッシュとマザランが
政権を押さえています。そこへイギリス王であるジェームズ・スチュアートが助けを乞いに来ますが・・・・。
ダルタニャン物語〈第3巻〉我は王軍、友は叛軍 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/06
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第4巻〉謎の修道僧 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/07
- メディア: 単行本
③ブラジュロンヌ子爵
アトスには、ある貴婦人との間に私生児を儲けてていました。それこそがブラジュロンヌ子爵こと
ラウルです。ラウルは両親の美質をすべて受け継いだような素晴らしい少年ですが、やがて
成人になり、ルイ14世に遣えることになります。ところで、ラウルは幼馴染で将来は妻にと、心を決めた
少女がいました。その人こそ、ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール。
しかし、恋とはままならぬもので、ラウルこそはわが夫と心に決めていたルイーズですが、
それは、ただの兄に対する愛情と同様なものであって、ホンモノの恋情とは違っていました。
ルイーズは初めて体験する制御不能な恋の炎に焼かれて苦しみます。
さて、その相手とは・・・・?
ダルタニャン物語〈第6巻〉将軍と二つの影 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/07
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第7巻〉ノートル・ダムの居酒屋 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/07/01
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第8巻〉華麗なる饗宴 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/08/01
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第9巻〉三つの恋の物語 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/07/01
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第10巻〉鉄仮面 (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/09/01
- メディア: 単行本
ダルタニャン物語〈第11巻〉剣よ、さらば (fukkan.com)
- 作者: A. デュマ
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2011/09/01
- メディア: 単行本
作者はもちろん、19世紀の大文豪、アレクサンドル・デュマ・ペールです。
そして訳者は鈴木力衛さんという方です。
鈴木さんは1936年、東大仏文科を卒業し、そのごパリ大学で学んでおられます。
そして、本書の訳業により第六回日本翻訳文化賞を受賞しておられます。
でも、その第六回というのが1969年でございますので、今からざざっと40年前ですね。
ですが、その文体は全く古びておらず、vividであり、なおかつ、華麗な筆致なのには驚くばかりです。
訳というのは、向こうの文化や言葉に堪能のみならず、母国語の力も大変に必要とされるものなのだな、
と改めて感じ入りました。
わたくし、ちょうどこの本を読む前に、映画のほうの「三銃士」も見ておりました。
ので、世の中、ちょっとした三銃士ブームだったみたいで、なかなか図書館で本を借りられず、
今日にいたってしまったのですね。
わたくしたちがよく知っている三銃士とは、田舎のガスコンから出てきたダルタニャンと
三銃士が力を合わせて、王妃の首飾りを取り戻しに、イギリスのバッキンガム公爵のところへ
出向いていって、そこで首飾りを取り戻してパリへ帰ってくる、というところまでではないでしょうか?
わたくしが幼年のころまでに読んだ本はたしか、そうでした。
ところが、本当の話というのは、子供には読ませられない部分があって、
それが結構重要なカギだったりするのです。
ダルタニャンはD'artagnanと書きます。
ふつうは「ダルタニアン」と発音されてますが、違います。
わたくしたちが今日抱いているイメージっていうのは、
勇敢で、世慣れていなくてナイーブでっていう無垢な少年像ではないでしょうか?
でも、本当のダルタニャンはパリに出向く前から、そうとう女遊びっていうものを知り尽くし、
あのミレディをたぶらかして、まんまと同衾するというしたたかさをもった、ナカナカのヤツなのです 爆
で、それで結構、悪知恵も働く。そしてとても現実主義者なのですねぇ。
19世紀の当時として、デュマが思い描いたとすれば、
19世紀的ヒーローのひとつのタイプがダルタニャンなのではないかなと推察します。
ダルタニャン物語はそうとう思い入れの深い本だったので、ちょっとずつこれから書いていくつもりです。
みなさん、よろしくお付き合いくださいませ!
そうそう、忘れてました。
もし、この「ダルタニャン物語」を全部読む前に、できるなら、この本を読んでお勉強をしてほしいです。
そのほうが、より本書を楽しむことができますから・・・・。
佐藤賢一さんが執筆しておられますね☆
ダルタニャンは実在した人物です。シャルル・ダルタニャン伯爵。
でもいわゆる「人物」じゃなかった、歴史の波に飲み込まれた人なのです。
でも、デュマの共同執筆者であるマケが三銃士のもととなるダルタニャンのひな形を、見つけ出し、
デュマに薦めたのだといわれています。
>ため息の午後さま
月乃さま
niceありがとうございます!
by sadafusa (2012-04-22 21:35)
>月乃さま niceありがとうございます!
by sadafusa (2012-04-24 15:02)