黒い服 [ちょっとした考察]
すらりとスレンダーな肢体だからこそ着こなせる
粋なブラックドレス。
「ティファニーで朝食を」のA・ヘップバーン。
昨日、メンズ・ファッションっていうのは、
厳然とした決まりがあるってハナシをしました。
カジュアルな服はカラフルでも
やっぱり、きちんとした服はそれなりに、と思うのですね。
花嫁衣裳に対する花婿の衣装っていうのは、
燕尾服かモーニングコートか、
どっちかなってところだと思います。
こういうタキシードはかっこいいけど、夜の恰好だし
お婿様には向かないと思う・・・
漫才師みたいなカマーバンドやめてくれ!
ショーン・コネリー、ガタイがいいねぇ。
洋服をかっこよく着こなすには体型もそうだけど体力がいるのだよ。
こういう正装って時間帯によっても着る服が違うと思うし。
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黒はジミだ、とか目立たない!と思っているのは
いささか早計ですよ。
っていうのも、19世紀になるまで
厳然たる「黒」い服ってなかなか作れなかったものなのよ。
「チューダーズ」でサフォーク公を演じるHカヴィル。
黒っぽい服をきてるけど本当の黒じゃないと思うよ。
とてつもなく黒を作り出すのは難しかったんだね。
それまで、なんとなく「黒っぽい」くすんだ色はよくあったけど、
それは混じり気のない黒ではない。
このルノアールの絵の、帽子をかぶってない女の子は
庶民なの、黒っぽい服をきてるけど、実は黒じゃないの。
傘をさしている人たちはたぶんブルジョア。帽子をかぶっているのでわかる。
買い物籠をさげているネーチャンは貧しい家の子なのです。
黒い洋服っていうのは、とてつもなく労力と値段がかかって
一部の特権階級にしか着られないものでした。
ですから19世紀の印象派の成金たちは
こぞってみんなこの色を着たがったもんなんです。
いろいろと物議をかもしだした「マダムXの肖像」
サージェントは印象派に影響されたアカデミズムの画家だったが、
パレットの中から黒を排斥することはなかった。
黒って色は不思議な色で
それだけを着ていれば
陰気な感じになるけど、
黒にゴールド、黒にダイヤモンドだと
とたんにわぁ~っと華やかになるんですよね。
平安の時代から公卿にしか許されなかった束帯も黒です。
この束帯の黒はどんなふうに染めていたのかさだかじゃないですが、
そのころの貴族ってたぶん、その家、その家に専門の生地を染める職人がいたらしいですよ。
黒にいきつくまでに自然の染料で赤に染めて次は青の染料の中にいれて、それから~
って果てしない行程を経て、あの束帯の色ができたんでしょうねぇ~
やっぱり殿上人しか着られないわけです。
そういうわけで、やっぱり世の中のお婿様たち、
ピンクのタキシードきるのはやめようね。
黒はとてつもなくゴージャスな色なんだから。
黒って昔ほどじゃないけど
今でも難しいんじゃないかな~って思います☆
スーツとか
ジャケットの形は気に入ったけど
ボトムの形が気に入らないからって
黒ばっかりは「黒」の色の違いがハッキリわかっちゃうから
別々に買うわけにいきませんものね
by mayao (2012-08-27 10:34)
>月乃さま nikiさま niceありがとうございます!
>mayaoさま
あ、そういういうことありますね。日の光に当てると
赤っぽいとか青っぽいとか、微妙に色が違うとか。
あるいは、全く質感がちがうとか、テリ感が違うとか・・・。
黒なだけにデリケートですもんね☆
by sadafusa (2012-08-28 21:55)