007はお好きですか? [ちょっとした考察]
みなさん、スパイ映画は好きですか?
わたくしは断然この手の映画が好きですね。
最近、ダニエル・クレイグがボンドに扮してから
なおさら007シリーズが好きになりました。
なんたって、007シリーズは派手なアクションという魅力もありますが、
必ずボンド・ガールという美女が登場し、
これまたお約束のように、ゴージャスなパーティ・シーンがある。
筋骨隆々とした立派なボディにタキシード、
美女はめりはりのきいた体に沿うようなソワレをお召しになり・・・・と楽しい。
ゴージャスなホテルに、ゴージャスな車、ゴージャスなロケーションと結構、優雅な気分。
この間、朝日新聞を読んでいたら、
歴代の007を演じていた男優さんおよび、
その作品についてのコラムがありました。
あと、何人かの007に強い影響をうけた6人ほどで、
何が一番好きか、などを討論したものでした。
で、みんな一様に一番好きなのは「ロシアより愛を込めて」でした・・・・。
なるほど、なるほど。
次はだいたい「カジノ・ロワイヤル」だったかも。
今のボンド、ダニエル・クレイグですね。ま、これも納得できるところです。
007と聞いて、「ロシアより愛を込めて」と連想行きがちですもんね。
それほど、スパイ映画としては傑作だったのだろう、と思うのです。
青池保子の「エロイカより愛を込めて」っていう漫画まであるものね。ウン、
今日、夫サマと「007」と聞いてすぐに脳裏に浮かぶ顔って誰?と話あっていたら、
「やっぱりショーン・コネリー」だろうねぇ。
とはいえ、わたくしたち実際にはでっかいスクリーンでショーン・コネリーをみたわけじゃない。
最初は超低予算映画の「ドクター・ノオ」から始まったんですね。
でも、「ドクター・ノオ」って聞き馴れなくって、
「そんな作品あったかな?」と思っていたら、
実は当時、「ドクター・ノオ」というタイトルではなく、
「007は殺しの番号」という邦題がついていたのですね。
ああ、どおりで聞きなれないわけです。
ついでに言えば「ロシアより愛を込めて」も
最初は「007危機一発(一髪ではない)」という邦題がついていましたが、
いつのまにか「ロシア・・・」のほうが人口に膾炙されておりましたとさ。
「ロシア」のほうがタイトルとして秀逸だわね、ロマンティックだしね。
だいたいね、今じゃ007のことを「ダブルオー・セブン」と普通にいうけど、
昔は「ゼロゼロセブン」といっていた。
ところで、わたくしが子供の頃からなんとなく、
その存在があったことはわかっていたけど、
はっきりと「この映画がすきだ!」と自覚したのは
たしか、高校か大学生のときに見た、「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」。
これはショーン・コネリーがもう一度なつかしのボンドに戻ってという、
ちょっと番外編みたいな映画。
コネリーが実はハゲ親父だったとカミング・アウトしたのもこの映画の時だったと思う。
でも、世間では「却って人間らしい、潔い。それにゲーハーでもコネリーはかっこいい。」
とかなり好意をもって迎えられたような気がするんですよね。
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さて、わかりやすいようにボンドの映画の表などを張り付けておきましょうか?
ヴィデオで見て一番笑ったのは、「007は二度死ぬ」。
これってわたくしが大好きな作家であるロアルト・ダールが脚本書いているらしいんだけど、
日本が舞台になるんだよね。
当時、日本ってアメリカから見て、こんな国だと思われていたんだなぁと思うと
一種の感慨がある。
しかし、どうキモノを着ようと、髪を真っ黒に染めようと、
絶対にショーン・コネリーは日本人にはなれないだろう・・・・と思いましたが。
浜美枝さんがボンド・ガールに選ばれて、
「国の誉れだ」みたいなこと、随分世間では騒がれていましたっけねぇ。
今の若い人たちって解らないだろうけど、
その当時の日本人の外国コンプレックスってそうとうなモンがあったんだろうと思う。
今は、別にフツーに長身で顔の整った人なんて、
日本人かどうかを問わず、アジア一帯に存在してますからねぇ・・・。
なんかそんな人種差別みたいなことも考えてしまいますねぇ。
ロジャー・ムーアのものはね、一度テレヴィで放映されていたのを観てたことがあったけど、
なんていうのかな、70年代の「科学万能主義」の気風が画面のそこここに漂っていて
その当時はハイセンスだったんだろうけど、今みると時代遅れもいいところ。
ほとんど噴飯もの、で見るに堪えなかった・・・・。
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ドクター・ノオ(007は殺しの番号) |
1962 |
テレンス・ヤング |
ショーン・コネリー |
アーシュラ・アンドレス |
ロシアより愛をこめて(007危機一発) |
1963 |
テレンス・ヤング |
ショーン・コネリー |
ダニエラ・ビランキ |
ゴールドフィンガー |
1964 |
ガイ・ハミルトン |
ショーン・コネリー |
オナー・ブラックマン |
サンダーボール作戦 |
1965 |
テレンス・ヤング |
ショーン・コネリー |
クロディーヌ・オージュ |
007は二度死ぬ |
1967 |
ルイス・ギルバート |
ショーン・コネリー |
若林映子/浜美枝 |
女王陛下の007 |
1969 |
ピーター・ハント |
ジョージ・レーゼンビー |
ダイアナ・リグ |
ダイヤモンドは永遠に |
1971 |
ガイ・ハミルトン |
ショーン・コネリー |
ジル・セント・ジョン |
死ぬのは奴らだ |
1973 |
ガイ・ハミルトン |
ロジャー・ムーア |
ジェーン・シーモア |
黄金銃を持つ男 |
1974 |
ガイ・ハミルトン |
ロジャー・ムーア |
ブリット・エクランド |
私を愛したスパイ |
1977 |
ルイス・ギルバート |
ロジャー・ムーア |
バーバラ・バック |
ムーンレイカー |
1979 |
ルイス・ギルバート |
ロジャー・ムーア |
ロイス・チャイルズ |
ユア・アイズ・オンリー |
1981 |
ジョン・グレン |
ロジャー・ムーア |
キャロル・ブーケ |
オクトパシー |
1983 |
ジョン・グレン |
ロジャー・ムーア |
モード・アダムス |
美しき獲物たち |
1985 |
ジョン・グレン |
ロジャー・ムーア |
タニア・ロバーツ |
リビング・デイライツ |
1987 |
ジョン・グレン |
ティモシー・ダルトン |
マリアム・ダボ |
消されたライセンス |
1989 |
ジョン・グレン |
ティモシー・ダルトン |
キャリー・ロウエル |
ゴールデンアイ |
1995 |
マーティン・キャンベル |
ピアース・ブロスナン |
イザベラ・スコルプコ |
トゥモロー・ネバー・ダイ |
1997 |
ロジャー・スポティスウット |
ピアース・ブロスナン |
ミシェル・ヨー |
ワールド・イズ・ノット・イナフ |
1999 |
マイケル・アプテッド |
ピアース・ブロスナン |
ソフィー・マルソー |
ダイ・アナザー・デー |
2002 |
リー・タマホリ |
ピアース・ブロスナン |
ハル・ベリー |
007 カジノ・ロワイヤル |
2006 |
マーティン・キャンベル |
ダニエル・クレイグ |
エヴァ・グリーン |
007 慰めの報酬 |
2008 |
マーク・フォースター |
ダニエル・クレイグ |
オルガ・キュリレンコ |
こうやって眺めてみると、ちゃんと劇場で見たのは、いつごろなのかな?
たぶんロジャー・ムーアのは全く記憶にないから、見てないと思う。
なんとなく、ティモシー・ダルトンのは覚えているから、
劇場で見てなかったとしても、ヴィデオかなんかで観てるんだろうなぁ。
ただし、この頃っていうか当時のわたくしって
ティモシー・ダルトンがいかにイギリス的な男前でかっこいいかっていうのを全く理解できなくて、
ただ「なんかすごくコワい顔したオジサンだ」とか思っていて。
・・・・子供だったんですね。
というか、彼は目力がとても強くてそこが受け入れられなかったのかもね。
この間、「アガサ 愛の失踪」っていう映画を改めて見ると、
惚れ惚れするほど美男子。それに上品だしね。
なんでこの人の魅力に気が付かなかんだろう?と思うんだけど、
ま、それはしょうがないやね。
あとは、ピアース・ブロスナンのボンド映画は結構丹念に見ているんだけど、
わたくしからみれば、プロスナンって良くも悪くもソツがなさ過ぎて、
あんまり印象にのこらないんだよね。何となく紳士服のモデルみたいな感じがするし・・・。
やっぱり、ダニエル・クレイグの「カジノ・ロワイヤル」が一番好きだったかな。
金髪の新ボンドって、従来のボンド像を覆す!って結構話題になりましたけどねぇ。
ダニエル・クレイグは、顔だけ見ていると、
歴代のボンドの中では一番イケテない顔だとは思うんだけど、
なんていうかな、彼には何となくボンドが感じているであろう、
「心の痛み」とかスパイとしての「虚無感」みたいなものが伝わってくるんだな。
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今は「007」シリーズじゃなくても、
トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」など結構カッコいい映画あるから、
007もしのぎを削って、アレコレと工夫しているような気がする。
今回「スカイフォール」も実は楽しみにしているんですのよ。
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せっかくですので、「ロシアより愛をこめて」の歌詞を訳してみました。
イギリス英語は難しいですね。
From Russia with love I fly to you,
much wiser since my goodbye to you.
I've travelled the world to learn,
I must return from Russia with love.
I've seen places, faces and smiled for a moment,
but oh, you haunted me so.
Still my tongue tied young pride,
would not let my love for you show
In case you'd say no.
To Russia I flew but there and then,
I suddenly knew you'd care again.
My running around is through,
I fly to you from Russia with love.
ロシアより愛をこめて、君のもとへ飛んでいくよ。
君にさよならを告げたあと、僕はかなり大人になって
世界中を旅してそのことにやっと思い至ったんだよ。
ロシアから愛をこめて、
君のところへ戻らなければならないと、ね。
いろいろな場所や人々がほんの束の間、僕の心を慰めてくれた。
だからといって、ああ、君の存在はいっときも僕の心をつかんで離しはしなかった。
あのとき、君が僕の愛に応えてくれないことを恐れて、
青臭い矜持が、君に愛を語ることを許さなかったんだ。
それからロシアへ行って突然、天啓が閃いたんだ。
再び君が僕の事を気にかけてくれているって。
これで、僕の女遍歴は終わりだよ。
ロシアから愛を込めて、君のもとへと飛んでいくよ。