天地明察 [読書&映画]

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 確かに子供の頃は「ご明察!」ってことばは使われていたように思う。

今は使わないよね・・・。

本当は「るろうに剣心」が見に行きたかったんですが

ま、こっちはこっちで面白かったのでマル。

いや、期待した以上に面白かったです。

どんな話かっていうと、江戸時代の理系男子の話ですワ。

主人公の安井算哲は、会津藩お抱えの碁打ち。

上様が御展覧になる碁を打つ身分。

しかし、ライヴァルの本因坊とは本当に真剣勝負をしたことがなく、

上様の前では、すでに考案されて勝負のついたものをただ打ってみせるだけ。

それじゃ、ツマラナイ。

で、ある日、掟をやぶって本因坊とひそかにたくらんで上様の前で

真剣勝負を挑むのです。

それがために、算哲は北極出地、つまり北極を基にした、土地測量の旅に行かされちゃうのですね。

もともと、算哲は数学の幾何の問題を解くのが大好きな

理系男子、だんだんと星を見ることにハマっていくのです。

そこで、いっしょに仕事をすることになった北極出地の同僚が

「今の暦は狂っている。冬至や夏至に至っては1日・2日の差がある」

ということを聞かされます。

「正しい暦を作ってみたい」という大きな欲望にとらわれる算哲。

さぁ、どうなる?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

やっぱり世の中、昔から理系、文系、体育会系とわかれているモンなんですね。

星辰へのあくなき追求っていうか・・・。

岡田クンがさわやか理系男子を演じていてよかったです。

宮崎あおいも大河で鍛えられたのか、立ち姿がとても美しかった。

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艱難辛苦の末、結ばれたおえんと算哲。

ふたりは生涯夫唱婦随を貫き、そして生涯の夢であった偕老同穴を果たす。 

話が単純ではなく、結構ハラハラとする展開なのです。

江戸時代に使っていた暦は800年も昔の中国伝来のもの。

そこで、元の時代の「時授暦」のほうが正確なので、こっちを採用しようとするのですが、

しかし、しかし・・・ナノデス。

なかなかに江戸時代のように物事の秩序が固まってしまった時代に

新しいものを取り入れるのは難しかったようです。

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最後、自分の命を賭して、「大和暦」の証明を京都の梅小路で証明しようとする

算哲です。

こっそり後をつけてきて、見事算哲の

「天地明察」が果たせたとき、

「旦那様、旦那様」とまろびつつ、駆け寄るおえんの姿の美しさ。

ま、本当は男女同権ですけど、そうは思いつつ、夫を立てるほうが

周りものには「見よい」ですよね。

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この「大和暦」はのちに「貞享暦」となり、

安井算哲は名を改め渋川春海と名乗るようになったのデシタ。


こだわり人物伝  ~バーンスタイン by 佐渡裕 ショパン by 平野啓一郎~ [読書&映画]

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最近、文豪の本ばかり読んでいたら、なんだか疲れてきちゃって、

さらりと読むモノがほしくなりました。

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そんなとき、この本を発見。

こだわり人物伝 2010年10・11月 バーンスタイン~愛弟子が語る/ショパン~魂の旋律 (知楽遊学シリーズ)

こだわり人物伝 2010年10・11月 バーンスタイン~愛弟子が語る/ショパン~魂の旋律 (知楽遊学シリーズ)

  • 作者: 佐渡 裕
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: ムック


NHKってこの手のムック本が好きね~

まぁ、少しはお利口になったかな、って気はするけど、

あくまでも、それは、きちんとした内容の側面なのであって、中身じゃないから。

ま、それでも、ちょっとしたこぼれ話みたいで面白いのは、面白いんだけど。

お目当てはバーン・スタインじゃなくて、ショパン・平野啓一郎だったんですけどね。

で、よんでいるうちに、わたくしって、いつも聞いている音楽って

実はある時代、ある楽器のみに限られているんだなぁって。

19世紀以降のピアノ曲しか、好きじゃないみたい。

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しかも、フランスっぽい方面。

ドイツっていうのは、本当に好きじゃないです。

といって、ベルリオーズなんかもピンとこないから

持ってるけど、やっぱりめったに聞かないですね。

マーラーも、たまに聞けばいいかな?とは思うけど

やっぱりきかないわね。

といって、じゃショパンでもあまねく聞いているのかっていったら

全然そんなことなくて、有名な曲ばかりしか聴かない。

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この際、ポロネーズとかマズルカとか、ピアノ・ソナタの全部を網羅しているCDを買おうかな~

なんて思うけど、あんまりプレイヤーが好きじゃなかったら買う気しないし。

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でも、こういうのはどうかな?

Chopin

Chopin

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
  • 発売日: 2011/12/20
  • メディア: CD



Chopin: Etudes Op.10/Op.25

Chopin: Etudes Op.10/Op.25

  • アーティスト: Fryderyk Franciszek Chopin,Maurizio Pollini
  • 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
  • 発売日: 1987/07/07
  • メディア: CD

マウリツィオ・ポリーニ。

全然聞いたことないけど、

なんかのコンクールでアルゲリッチ1位、ポリーニ、2位だったんだって。

わたくし、好きなスタイルと好きじゃないスタイルって好みはっきりとわかれるからなぁ。

あんまり超絶技巧に走りすぎているのはキライなんだよね。

ちょっと、しっとりしたオールド・スタイルのがいいな。

とか言って、良けりゃ何でもいいんだけど・・・・。



ガセネッタ&シモネッタ by 米原万里 [読書&映画]

わたくし、だいたい3か月ごとにテーマを決めて集中的に本を読んでいるんです。

今はロシアもの、なんです。

ですがネ、ロシアものってなんとなくテーマ重たそう~、長そう~

って感じするじゃないですか・・・・・?

高校生のとき、わけもわからず「カラマーゾフの兄弟」読みましたっけ・・・。

ドミートリィ、イワン、アレクセイ。そして、スメルジャコフ。

舌を噛みそうな長ったらしい名前、今でも空でいえます。

恐るべし!高校生の記憶力。だけど、はっきり言って内容は全然わからないんだよねぇ~。

天が下のすべての事には季節があり、
すべてのわざにはときがある。
生るるに時があり、死ぬるに時があり。
植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり。

泣くに時があり、笑うに時があり。
悲しむに時があり、踊るに時があり。

(伝道の書)

本を読むときにも、その人の精神的な成熟度によって

「読み時」というものがありますね。

よわい、五十にして、しみじみ名作の良さがわかったりするもんなんですよ。

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すぁて、ロシアものを読むにあたって、イキナリはちょっと怖かったので、

米原万里さんの「ガセネッタ&シモネッタ」っていうのを読んでみたんですヨ。

ガセネッタ&シモネッタ

ガセネッタ&シモネッタ

  • 作者: 米原 万里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本


米原さんは、ロシア語の同時通訳で超有名な方。

そして、同時に作家・エッセイストでもあられた方です。

米原さんは「オリガ・モリソヴナの反語法」という小説を書いておられまして、

「ドゥマゴ賞」を受賞しておられるのですが

それがなんとも日本人離れしたスケールの大きな物語でものすごく感動したものです。

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

  • 作者: 米原 万里
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/10/20
  • メディア: 文庫

ただ、2006年に56歳で他界しておられまして、先々が楽しみな作家さんだったのに

その早すぎる死が惜しまれるのです・・・・。

米原さんは、少女期に共産党員(!)だった父君に伴ってプラハに5年間暮らされるのですが

あんまり、日本人にとってなじみのないチェコ語を習得するよりは、

帰国後にもなにかと有利になるであろうと思われるロシア語を、というご両親の考えもあって

プラハにある、ロシアから駐在している人々の子弟のために作られた

ロシア語学校に通われるのです。

ただ、やはりプラハに駐在していた外国人たちは米原さんのご両親と同じ考え方の人が多かったらしく

通ってらしたロシア語学校は、その当時一種のインターナショナルといった体をなしていたそうです。

米原さんはその中でいろんな、そして複雑な事情を抱えたルーツを持つ学友たちを、

子供の感性で観察しているサマには心うたれるものがあります。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

  • 作者: 米原 万里
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: 文庫

世の中、帰国子女はあまたいますが、共産圏というのはちょっと珍しいと思いますね。

米原さんは、そういった環境で育たれて、もちろん共産主義の恐ろしさというものも

身を持って感じられた一方、人類の理想である、共産主義の「どんな人にも平等」という高邁な

精神にも触れて、その素晴らしさっていうのも感じているんですね。

資本主義は「お金にならない」ことはしないものですが、共産主義はそういったことを度外視して

教育などに当たっていたんですねぇ~。

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アメリカなどは、どこの国へいっても全部「英語」で無理やり押し通そうとしますが、

ロシアはまるきり反対の立場をとっておられまして

まず、その国を理解するにはその国のコトバを習得するというのが基本だったそうです。

ロシアはどんな小国にでも、ロシア人を送り込んで、その言葉を習得させ

ロシア語に翻訳しているんだそうです。

日本に例をとってみると古いところでは「源氏物語」。

ですが、「大宝律令」まで訳しているとあっては、あっけにとられてしまいます。

だれがそんなもの、読むんだ~?

・・・その飽くなき探求心。スゴイです。

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あと、少々話は尾籠になって申し訳ないんですが、

ロシア語で翻訳されたものは、たとえば文学作品の場合、

たとえば当時でも十分過激な箇所であっても

一切ノーカットだったんだそうです。

米原さんたちの学年は、小学校4年生ぐらいからデュマの「三銃士」などを

バリバリ読破していたそうなんです。

親は単純に喜んでいたそうなんですが、

実は濡れ場がバリバリにすさまじいから、だったんだそうですネ。

わたくし、最近「三銃士」のシリーズ11巻、読破した!と喜んでいたんです。

鈴木力衛さんの訳も40年前でありながら、というか40年前だからこそというべきか

本当に流麗ですばらしかったんです。

やっぱり、艶ごとのシーンはさらっと描かれているばかりで

「やっぱり、昔はこういうのご法度だったんだな」と思ったんですが

それは実はカットされていたんですね!

確かに~。「ブラジュロンヌ子爵」って美しいんだけど、

こうなんていうか気の抜けた炭酸みたいに

ダラダラと続くんですよ。

恋愛ばっかりでタルい~とか思って。

でも、あそこに強烈な濡れ場シーンがあったとしたら

それはたぶん別の印象でしょうね。

しかしながら、日本には「チャタレイ夫人の恋人」裁判というのもありますし、

全訳をした伊藤整さんは窮地に追い込まれたという経過もあります。

今、全訳を読んでみると非常に芸術的で、わいせつなものと完全に一線を画したものであるのに、

残念だなぁ~と思わないではいられないのです。

作家は必要と感じてその場所を描いているのですから。

なんというか、昔の教育ママみたいに「なんざます~!いやらしい!」

でカットしちゃうほうがよっぽど、偽善者でイヤらしいと思うのですけど。

物事は大局的にみたいものですね。


クロイツェル・ソナタ  [芸術]

じっとしていると、なおさら手首がジンジンしてくるような気がしてくるTT

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

今日、トルストイの「クロイツェル・ソナタ」と「悪魔」を読了した。

ま、話の内容はほか機会にゆずるが、

この曲のプレストの「官能性」が、不倫の男女の仲に拍車をかけるというくだりがある。

へぇ~、と思いつつ、このCDを取り出してきた。

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前橋汀子とクリストフ・エッシェンバッハのデュオです。

アマゾンではもう取り扱っていませんでした・・・(TT)

わたくし、曲名と名前がいっつも混同して、メロディは知っていても、タイトルは知らない、

タイトルは知っていても、曲名と結びつかないことばっかりなんですよ↓

読書中も、「ああ、あの曲だな」と思っていたのが実はクロイツェルではなく、

スプリングのほうだった!

夫の忠告で正気にもどったかに見えた妻は

クロイツェル・ソナタの官能の魔術にかかって、一緒にデュオを奏でたヴァイオリン弾きと

越えてはいけない男女の一線を、その晩超えてしまった・・・・。

うう~ん、そう思ってきけば、そんな気もするけど・・・。

わたくし、ベートーベンに官能を感じたことはなかった・・・。

だけど、タイトルを「クロイツェル・ソナタ」と名付けたトルストイのセンスってすごいわ。

全く、芸術家の創造力ってものは、われわれの思念の範疇を超えているデス。


ミス・ディオール ナタリー・ポートマン [できごと]

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最近、演技の幅を広げるべく

いろんな役に果敢に挑戦なさっているナタリー。

もともとすごく優秀で、ともすれば

その端正な美貌と知性でカタイ役・清純派ばかりするのが

御不満なんでしょう。

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わたくしとしてはリュック・ベッソン監督の「レオン」のときの

イタイケなナタリーが目に焼き付いていますが・・・。

あの役も12歳の少女にしてはタフな役でしたけど。

もう、こんな大人になったんだぁ、と感慨深いものがあります。

今回、ミス・ディオールで、やっぱりヌードに挑戦したみたいで。

ってしたんです。

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でも、なんというかもともと商品がディオールですので、

そんな赤裸々なものでなく、

ほのかにセクシーでしょうか・・・

それにしてもお綺麗ですね。ナタリー。

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黒い服 [ちょっとした考察]

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 すらりとスレンダーな肢体だからこそ着こなせる

粋なブラックドレス。

「ティファニーで朝食を」のA・ヘップバーン。

昨日、メンズ・ファッションっていうのは、

厳然とした決まりがあるってハナシをしました。

カジュアルな服はカラフルでも

やっぱり、きちんとした服はそれなりに、と思うのですね。

花嫁衣裳に対する花婿の衣装っていうのは、

燕尾服かモーニングコートか、

どっちかなってところだと思います。

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 こういうタキシードはかっこいいけど、夜の恰好だし

お婿様には向かないと思う・・・

漫才師みたいなカマーバンドやめてくれ!

ショーン・コネリー、ガタイがいいねぇ。

洋服をかっこよく着こなすには体型もそうだけど体力がいるのだよ。

こういう正装って時間帯によっても着る服が違うと思うし。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

黒はジミだ、とか目立たない!と思っているのは

いささか早計ですよ。

っていうのも、19世紀になるまで

厳然たる「黒」い服ってなかなか作れなかったものなのよ。

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「チューダーズ」でサフォーク公を演じるHカヴィル。

黒っぽい服をきてるけど本当の黒じゃないと思うよ。

とてつもなく黒を作り出すのは難しかったんだね。

それまで、なんとなく「黒っぽい」くすんだ色はよくあったけど、

それは混じり気のない黒ではない。

このルノアールの絵の、帽子をかぶってない女の子は

庶民なの、黒っぽい服をきてるけど、実は黒じゃないの。

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 傘をさしている人たちはたぶんブルジョア。帽子をかぶっているのでわかる。

買い物籠をさげているネーチャンは貧しい家の子なのです。

黒い洋服っていうのは、とてつもなく労力と値段がかかって

一部の特権階級にしか着られないものでした。

ですから19世紀の印象派の成金たちは

こぞってみんなこの色を着たがったもんなんです。

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ダンディズムを追求したホィッスラーの作品。
当時、こういうホワイトタイの様式が定着したみたいよ。
禁欲的ないでたちが男を光らせるのだ。 
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 いろいろと物議をかもしだした「マダムXの肖像」

サージェントは印象派に影響されたアカデミズムの画家だったが、

パレットの中から黒を排斥することはなかった。

黒って色は不思議な色で

それだけを着ていれば

陰気な感じになるけど、

黒にゴールド、黒にダイヤモンドだと

とたんにわぁ~っと華やかになるんですよね。

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平安の時代から公卿にしか許されなかった束帯も黒です。

この束帯の黒はどんなふうに染めていたのかさだかじゃないですが、

そのころの貴族ってたぶん、その家、その家に専門の生地を染める職人がいたらしいですよ。

黒にいきつくまでに自然の染料で赤に染めて次は青の染料の中にいれて、それから~

って果てしない行程を経て、あの束帯の色ができたんでしょうねぇ~

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やっぱり殿上人しか着られないわけです。

そういうわけで、やっぱり世の中のお婿様たち、

ピンクのタキシードきるのはやめようね。

黒はとてつもなくゴージャスな色なんだから。

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ダニエル・クレイグも大好き。カッコイイ。
彼のタキシードは色っぽいとはいえないけど
なにかとても誠実な感じがするね。

あさがおが咲きました! [お花]

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会社へ出勤の夫サマが

玄関で「お~~い、あさがお咲いてるよ!」

と呼ばう声が・・・!

わぁ~~、ブルーの絞りの大輪!

とってもきれいだし、うれしいです。

やっぱり

「愛いヤツじゃの。苦しゅうない、褒美をとらす」

側室がたくさんいるお殿様の気分です 笑

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≪エーゲ海に捧ぐ≫にまつわる思ひ出 [ちょっとした考察]

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この間、編みあがったニットを首のところだけ繋いで、

どんな具合かを鏡で確認するために

廊下をうろちょろしてたら、

ちょうど夫サマが帰っていらしって

「なにしてんの?ジュディ・オング?」

と笑っておっしゃいました☆

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

子供にジュディ・オングって知ってるかと尋ねますと

「しらん」でございまして、ま、それも当然かな~と思ったり。

その後、編み物教室で「ジュディ・オング知ってる?」と聞いたら、

オリジナルはしらないけど、よくお笑いで物まねされるから知ってるとのこたえ。

へぇえ~~

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実はうちの夫サマはこのジュディ・オングの「魅せられて」のLPを持っていた!

それは連れ添ってン十年なのに、今知ったことでした。

で、驚きつつも、そのLPを聴きながらこのトピを書いてるんですけどね・・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

よく考えてみれば、大ヒットしたといっても、それはわたくしが高校生の時の話。

しかし、十代のアタマっていうのはそれはそれは記憶力が良くて、

ここ二三年の出来事も次々から忘れてしまう昨今、

ことの細部まで詳細に覚えているものなのですよ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「エーゲ海に捧ぐ」って原作が池田満寿夫の小説で芥川賞を受賞したんです。

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池田満寿夫はもともとが画家ですので、すごい才能だ、と思ったんですね。

で、読んでみたんですが、

よくわかんなかった。アニタっていう女がどうやら主人公らしいってこと意外は。

そこで、池田満寿夫がさらに、映画を作ったんですヨ。

映画は、映画はすばらしく美しくて、

高校生が見るにしては刺激の強いモノでした。

やっぱり、話のすじはさっぱりわかりませんでしたけど。

紫に近いほど青いエーゲ海、太陽の強い光にさらされた白い建物、

「すげ~、こんなきれいなところあったんだ!」って感じです。

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まぁ、当時の日本人の平均的な感想じゃなかったんじゃなかろうか?

それほどまでに、ギリシャって国は遠かったんですよ。

そして、本当に感動したのが主人公である、イロナ・スターラの美しい肢体ですよ。

この映画の彼女は不思議な透明感をたたえた美女で、本当にどんなポーズをとっていても

淫らな感じはみじんもせず、美しかった。

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何ていうのかな~、今って巨乳とか美乳とかオッパイの形ばっかり気にしているようだけど、

西洋の女の人のカラダって、美しさの秘密って実は姿勢のよさじゃないのかな

ってそのとき思ったんです、

だって、ピンと背が伸びていると、背骨がヒップにいたるまで美しく弧を描いて

立体的なんですよね。

これって男性は絶対にそうはならないし、あの美貌で女をタジタジさせている

アンドレイ・ペジック君もできないワザです☆

日本人ってここまで姿勢がいい人ってあんまりいないから、というより、

もともと西洋人と東洋人というか日本人はもともと腕の付き方が

違うんじゃないかって思ったもんです。

この主演をした謎の美女イロナ・スターラは実はのちのチッチョリーナでございました。

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彼女、このあと豊胸手術したみたいにみえるんですけど・・・・。

彼女があの映画で見せた、「透明感」はなぜかすっかり消え失せ、

ただ単にお色気ムッチリの人になっていました↓

ポルノ女優だから必要に迫られてやったのかもしれないけど、

そのとき女性のカラダの美しさっていうのは、胸の大きさじゃないな、と思ったのでした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

で、もともとジュディ・オングのこの「魅せられて」ってどこに使われていたのかっていうと

この映画、協賛としてワコールがタイアップしていたのね、

それで、フロント・ホックブラっていうののCMをしていて

イロナ・スターラの姿とともに、ジュディ・オングの歌声が広まっていったというわけです・・・・。

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 今から見るとブラジャーの位置がちょっと下だよね~?

昔は「寄せて上げなかった」!

で、その後、「エーゲ海」よりもジュディ・オングのこの歌が爆発的ヒットをしまして

当時のレコード大賞を受賞した、と。

このときのジュディ・オングの衣装もすごく話題になったんですよね。

これはもともと、イロナ・スターラが真っ青なエーゲ海を臨む岬に半裸になって立ち、

シースルーのヴェールを棚引かせてたのをイメージしていたんだとおもうけど、

その後勝手に進化していますよね・・・・。

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なんか、ちょっと前のコトのような気がしますけど

1979年の出来事ですんで 

あれから軽く30年はたっているのね・・・・。(年取るはずだわ・・・・orz)


不思議なアンドロジニー       アンドレイ・ペジック  Andrej Pejic [できごと]

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二三日前、yahooニュースを読んでいたら、

興味深い記事がありました。

美しすぎる男性モデルとのキャプションが・・・。

その方のお名前はアンドレイ・ペジック。

なんかこういう人って不思議すぎて興味津々になるのがsadafusaの悪い癖なんですが・・・・。

あれこれ、知りたくなってしまう・・・・。

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ちっちゃいときは

かわいいけど、ふつうのボーヤ。

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っていうか、二三年前から趣味で小説(!)書いていたんです。

ちょうどその主人公が男になったり、女になったりする設定にしたんだけど

本当は「男」にするのか「女」にするのか、実は「アンドロジニー(半陰陽)」なのかっていうのを

だいぶ考えていたんですけどね。

一応書き上げても、なんか自分で納得できなくて悶悶として、結局イヤになって

放りっぱなしにしてあるんですけど・・・・・。

しかし、今日、この彼の姿を見て、なんか答えが出たような気がしました。

やっぱり女にしか見えない男もいる!

しかも、男の恰好をしたら、バッチリ男にしかみえない!

本当に稀有な素質ですよね。

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この写真いろっぽ~~いっ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

どうも御出身はバルカン半島のクロアチアのほうだそうです。

お名前がアンドレイ、綴りはandrej と最後にj で終わるのがスラヴらしい綴りだわ、と

先日名前の本を読んで学習したことを、再認識して喜んでいます^^

彼は、戦争が激化したのをきっかけに故国を脱出、ご家族とともに

オーストラリアへ移住、現在に至るのだそうです。20歳。

以前、米原万理さんの「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」という自伝的小説の中に

クロアチア紛争の話があって、

その中でクロアチア出身の女の子が

「マリ、覚えておいて。クロアチアはね、美男の銘産地なのよ」

というくだりがあって、続いて

「アラン・ドロンはフランス人だと思われているけど、彼はクロアチアの血を

 引いているからあんなにハンサムなの」

とあり、へぇ~と思ったものです。

たしかにエリック・バナもクロアチアの出身で、やっぱりクロアチアの人ってハンサムなんだなぁと

思ったりもしました。

・・・・・でも、彼、アンドレイの場合!

いささか事情が異なるんですよね。

ハンサムっていうコトバを使ってもいいものかどうか・・・。

ハンサムってググってみるともともと hand some

とつづるんだそうです。カオダチが整っている人は

異性に手をかけるの容易だ、との意味から発しているんだそうですが・・・。

整った容貌っていうところはあっていると思いますが。

彼は、いわゆる、ファッション業界用語として「アンドロジニー」つまり、男女どっちでものモデルを

努めているのだそうです。

写真の女の子の中に彼がまぎれているのが解りますか?
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彼は身長188センチ、足のサイズだって28です。
どう考えたって、日本じゃ男そのものですわね。サイズ的にみりゃ。
ブラピだってたしか、183センチしかなかったように記憶してますが。
でもスリーサイズはやっぱり細くって
91.44 (不明) 76.2センチ。

・・・・・・やっぱり男にしては細いよね。

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彼の動画をしばし見て感想。

彼はね、やっぱり演技力があるんです。

女の子のような表情とかしぐさ。

ちょっとコケティッシュな上目使いとか。

まぁ、あとは生まれつきなのかどうかはわからないけど、

毛深くないこと。これは非常に女性的要素としては大事だわね。

あとね、二の腕が細いこと。

向こうの人って、細い人でも妙にみんな二の腕が太いからね~

それで絶対男だってバレてしまう。

まぁ、肩幅も広いし、背中の筋肉の付き方も

ふつうに「痩せてる男性」って感じがしますが

女性モデルでもそういう人は多いのであんまり気になりませんね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

たぶん、彼は日常生活においては

絶対に男に見られるだろうけど、

でも180センチ以上の女性モデルがゴロゴロしているファッション・モデル業界では

さほど違和感がない、ってことなんでしょうね。

少なくとも、こう普通の人々と比較する媒体のない

写真などのヴィジュアル的な世界では。

ただ、今20歳なので、まだまだ成長するだろうし、

世阿弥のいうアンドロギュヌス的な「時分の花」は

そう続かないかもしれませんネ。

う~~ん

それにしても不思議な人だなァ。

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     このフシギな透明感はナニ?

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スパルタカス シーズン1 鑑賞終了 [ドラマ]

やっと見終わりました。

starzのこのシリーズ、どういうのかなぁ、HBOの「ローマ」よりは

ちょっと変化に欠けるっていうか、面白くないのよ。

この前、テルマエ見て、阿部寛さんのカラダみて、スゴい、と思ったけど、

いや、実際そうなんだけど、

このスパルタカスの迫力はどうよ、って感じです。

なんで外人ってあそこまでガタイのいいカラダになれるんだろ、

骨格の違いなのか、筋肉の付き方のちがいなのか・・・

あと、肌の質感も全然ちがうよね、そこはすごく思いました。

昔、「カリギュラ」って映画がペントハウスで製作されて、

すごいすごいって騒がれていたけど(子供だったのでみていませんが)

きっと、今見たら、「ふ~~ん」で終わっちゃうと思う。

とにかく、このドラマ、主役以外の人は男も女も

一切ノーカット、無修正、ぼかしなしで

全裸で写ってました。

(こういうのをTVで放映されるアメリカって国にもたじろぐけど)

なんていうか、よっぽど自分のカラダに自信があって、

なおかつカメラの前に立つ自己顕示欲っていうか、勇気がある人じゃないと

務まらないよなぁ~って思います。

特に男の人。AV男優じゃないんだし、やっぱりすごい役者魂!なんだと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一応、ホイットフィールドさんの「スパルタカス」はここまで。

すばらしい一点のくもりもない肉体にしか見えないのに、

病魔が潜んでいて、この世にすでにいないなんて、

なんか信じられない思いがします。

ご家族の方は、このドラマ、あまりに痛々しくてご覧になれないのではないか、

とふと想像してしまいます・・・・。

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シーズン1は、トラキア人であるスパルタカスが

自分の故郷であるトラキアを守るため、トラキアに駐屯するローマ軍団の補助兵として

働いていたのですが、アホな副将が自分の私利私欲のため、

スパルタカスら地元の補助兵を裏切るんですよね。

それで、自分の命よりも大事で、スパルタカスの太陽である

美しい妻から引き離されてしまった。

そして、カプアへ奴隷として連れてこられ、

バティアヌス剣闘士養成所へ入れられ、

剣闘士になり、そして、紆余曲折のすえ、

バティアヌス養成所で反乱を起こして、そこの仲間と一緒に逃走するまでですね。

とにかく、スパルタカスの引き離された妻に対する愛、誠実さなど、

あまりに純粋でひたむきで、見ているこっちのほうが胸が痛くなるほどでした。

でも、酷いこと言うんですよね~、ローマの兵隊たちって

「お前の妻なんて、今頃100人の男に犯されて、アタマがどうにかなってしまっているぜ。

 そんな使い古された雑巾みたいな女、今更執着してどうする?」とか・・・。

スパルタカスは、自分が宝石のように大事に大事にしてきた妻に

そんな風に弄ぶ男どもを想像して一瞬、破壊的な怒りに駆られるんだけど

次の瞬間に「ああ、でもどんな姿になっていてもいいから会いたい。生きてさえいてくれたら」と

ひたすら願っているんですよね・・・・。

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グラディエーターという身分は本当にかわいそうですね。

いったん、フィールドに上がったら、相手がどんなに自分の見知った大事な友人であっても

殺すか殺されるかされなければならない、民衆の楽しみのためだけに。

そこらへんの悲しみがよく表現されていて、よかったです。

最終的になんで、スパルタカスたち奴隷が反乱を起こしたのかっていうと

奴隷っていうだけで、生きるのも死ぬのも、そして誰かを愛することすら

ゆるされない人間としての尊厳を踏みにじられたからです。

塩野さんの「ローマ人の物語」には決して登場することはないであろう、

下種なローマ市民権をもったひとばかりがでてきて、

本当にスパルタカスやウァロ、クリクススたちが哀れでした。

対して、殺してやりたいほど卑しいのが、イリティア、ルクレツィア、バティアヌスでしたかね。 

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ただね、当然のことながら、養成所とコロッセオにほとんど舞台が限定されているので

場所的な広がりが少ないのね。

そこがちょっと不満かな~

でも、こういう格闘技がスキなひとには面白いのかも・・・・・。

私はどっちかというと

ちょっと前の「大聖堂」とか「チューダーズ」のほうがよかったかな~。

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他にも見なきゃならない映画いっぱいたまっているんで

一生懸命頑張ってみます・・・


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